BREATH (渡辺美里のアルバム)

渡辺美里の3枚目のオリジナル・アルバム『BREATH』は、1987年7月15日にEPIC・ソニーからリリースされました。本作は、彼女の音楽キャリアにおいて重要なターニングポイントとなる作品です。

制作の背景

アルバム制作は、渡辺が敬愛する吉田拓郎の楽曲「どうしてこんなに悲しいんだろう」を歌いたいと考えたことから始まりました。彼女は、自身の楽曲が「My Revolution」に代表されるような前向きなイメージで捉えられている一方で、内面的な葛藤や感情を表現したいという思いを抱いていました。「どうしてこんなに悲しいんだろう」は、そうした彼女の内なる感情を表現する上で重要な楽曲であり、アルバム全体のテーマを決定づけるものとなりました。また、同時期の日本武道館を含むアリーナツアーでも披露され、アルバムの軸となっていきます。渡辺は「風になれたら」について、「どうしてこんなに悲しいんだろう」の現代版の女の子を描いた曲だと語っています。

本作では、伊秩弘将が作曲家としてデビューした他、渡辺の高校の先輩である清水信之、佐橋佳幸、西平彰といった才能あるミュージシャンが楽曲制作に参加しています。さらに、本作から2000年リリースの『Love♥Go Go!!』まで、一部の楽曲を除き、渡辺自身が全曲の作詞を手掛けるようになります。また、数曲では作詞・作曲の両方を担当し、シンガーソングライターとしての才能を開花させました。

アルバムからは「IT'S TOUGH／BOYS CRIED（あの時からかもしれない）」がシングルカットされましたが、前2作とは異なり、リカットシングルはリリースされていません。

ディスクジャケット

ジャケット写真は、渡辺美里本人の顔を大きくアップにした印象的なデザインとなっています。

楽曲について

アルバムには、多様な楽曲が収録されています。渡辺自身の内面を深く掘り下げた歌詞や、様々なミュージシャンとのコラボレーションによって生まれた楽曲など、聴きどころ満載です。

本作は、渡辺美里の音楽性をさらに広げ、深めることになった重要な作品であり、彼女のファンはもちろん、幅広い音楽ファンにおすすめできるアルバムです。

Produced : 小坂洋二, MISATO
Co-Produced, Mixed, Digital Mastered : 伊東俊郎
Directed : 山口三平, 大本和典(Grass Company)
Project Coordinated : 早川隆(Grass Company)
Recorded : 伊東俊郎, 吉田睦, 森岡徹也
Assisted : 室克己, 伊藤康宏, 松尾順二
Artist Promotion : 湯川宏一, はぎわらあきら, 石栗一浩
Art Direction, Design : 植田敬治
*Photography : 大川直人

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