BRICS PAY

BRICS PAY（ブリックス・ペイ）

BRICS PAYは、BRICS加盟国であるブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカが共同で開発しているデジタル決済プラットフォームです。このプロジェクトは、ヨーロッパのSWIFTやインドの統合決済インターフェースに類似しており、国境を越えた取引を現地通貨で行うための新たな手段を提供します。BRICS PAYは加盟国の経済協力を強化し、国際的な貿易を促進することを目的としています。

歴史的背景

2023年8月25日、中国の外交担当局長である李克新氏は、国境を越えた決済に関する協力を促進すべきだとの意見を示し、同時に決済ツールやプラットフォームの研究を推進する必要があると述べました。これはBRICS PAYの開発につながる重要な発言でした。

その後、2023年9月29日にはイランの国会議長が、BRICS加盟国の間で独自の銀行間通信システムがSWIFTに代わる選択肢として存在することに言及しました。イランは、このシステムを積極的に利用して、対外貿易の効率を向上させるべきであると主張しました。

2024年に入っても、BRICS PAYの重要性は増しています。3月5日、ロシアのユーリ・ウシャコフ大統領補佐官は、BRICSが独自の決済システムを構築することが将来的な重要な目標であると述べ、具体的には便利で費用対効果が高く、政治的な影響を受けないシステムを目指す必要があると強調しました。ここで重要なのは、デジタル技術やブロックチェーンを活用した最先端のシステムである点です。

さらに、ウシャコフ氏は脱ドル化の進展にも触れ、他の通貨の使用を増やすためにコンティンジェント・リザーブ・アレンジメントの発展に取り組む意向を示しました。

現在の進捗

2024年8月1日には、ロシアのワレンチナ・マトヴィエンコ連邦院議長が、BRICS PAYの設立を中心に中央銀行と財務省との間で議論が進められていることを報告しました。このプロジェクトに関する協議は、上海協力機構でも行われているとのことです。

BRICS PAYの導入により、加盟国間の貿易や経済活動がスムーズに行えることが期待されています。現地通貨での取引は、世界市場における依存度を減らし、より自立した経済システムの構築を目指すための一歩となるでしょう。

まとめ

BRICS PAYは、加速度的にグローバル化が進む中で、デジタル決済の新たな形を模索する重要なプロジェクトです。地理的制約を超えた協力を通じて、加盟国にとっての経済的利益を最大化することが期待されています。今後、BRICSのデジタル決済プラットフォームがどのように発展し、国際的な経済環境に影響を与えるのか注目されます。

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