BRM・P201

BRM P201：ブリティッシュ・レーシング・モータースの挑戦

BRM P201は、輝かしい歴史を持つブリティッシュ・レーシング・モータース（BRM）が1974年から1977年にかけてフォーミュラ1世界選手権で使用したレーシングカーです。このマシンは、チームのチーフデザイナーに就任したばかりのマイク・ピルビームの手によって設計されました。ピルビームは、それまでBRMのカーデザインを担当していたトニー・サウスゲートの後を継ぎ、新たなBRMの時代を切り開くべく、P201の開発に取り組みました。

革新的なデザインと特徴

P201は、そのデザインにおいていくつかの革新的な特徴を備えていました。モノコック構造は、ブラバムBT42と似た三角形断面構造を採用していましたが、ラジエーターの配置は車体側面に設置するという独自のレイアウトがとられました。また、前後輪両方にインボードブレーキを採用した点も特筆すべきです。これは、空気抵抗を低減し、マシンの空力性能を高める効果がありました。さらに、スポンサーがマールボロからモチュールに変更されたことに伴い、P201は特徴的なグリーンとシルバーのカラーリングをまといました。

1976年からは、P201を改良したP201Bが使用されました。P201Bでは、いくつかの改良が加えられ、マシンの性能向上を目指しました。これらの改良が、P201Bのレースにおけるパフォーマンスにどのように影響を与えたのかは興味深い点です。

レース戦績とドライバーたち

P201は、1974年第3戦南アフリカグランプリで、ジャン＝ピエール・ベルトワーズのドライブでデビューしました。デビュー戦では見事2位表彰台を獲得するという好成績を収めましたが、その後は思うような結果を残せず、ポイント獲得はベルギーグランプリでの5位のみとなりました。チームメイトには、前年モデルのP160Eをドライブしたアンリ・ペスカロロとフランソワ・ミゴールがいました。ペスカロロも第7戦スウェーデングランプリからP201をドライブする機会を得ました。

1975年には資金難のため、チームは1台体制へと縮小。序盤はマイク・ワイルズがステアリングを握り、第3戦南アフリカグランプリからはボブ・エバンスがドライブを担当しました。この年、P201はベルギーグランプリで9位が最高位という結果に終わりました。

1976年はイアン・アシュレーがブラジルグランプリに出走しましたが、リタイヤという結果に終わりました。これがP201の1976年シーズンの唯一のレース出場となりました。

1977年には、新しいマシンであるP207が登場しましたが、南アフリカグランプリの予選でエンジンブローが発生したため、急遽P201がラリー・パーキンスのドライブでレースに出走することになりました。エンジントラブルに見舞われながらも、P201は最下位となる15位で完走しました。

BRM P201：そして未来へ

BRM P201は、決して成功したマシンとは言えませんが、その技術的挑戦と、チームの努力の結晶と言えるでしょう。革新的なデザインと、資金難にも関わらず戦い続けたドライバーたちの姿は、フォーミュラ1の歴史において、重要な一ページを刻んでいます。BRM P201は、フォーミュラ1におけるBRMの歴史を語る上で欠かせない存在であり続けるでしょう。このマシンに関する更なる情報は、OldRacingCars.com、Ultimatecarpage.com、STATS F1などのウェブサイトで確認することができます。

もう一度検索