ラリー・パーキンス

ラリー・パーキンス：眼鏡をかけたF1ドライバーの軌跡

ラリー・クリフトン・パーキンスは、1950年3月18日生まれのオーストラリア人レーシングドライバーです。F1ドライバーとして活躍した彼は、眼鏡をかけてレースに臨むという珍しいドライバーとして知られていました。

華々しいキャリアの始まり：ヨーロッパF3での成功

オーストラリア国内のフォーミュラ・フォードなどでキャリアをスタートさせたパーキンスは、その後ヨーロッパへと渡ります。ロン・トーラナック率いるラルトチームでメカニックを務めながら、ヨーロッパF3選手権に参戦。1975年には見事チャンピオンの座に輝き、その実力を世界に示しました。この経験が、彼のF1挑戦への大きな弾みとなりました。

F1デビューと挑戦の日々：数々のチームを渡り歩く

1974年には、クリス・エイモンが設立したエイモン・レーシングからドイツグランプリに参戦しますが、予選落ちという結果に終わります。しかし、諦めずに挑戦を続け、1976年、ボロチームからスペイングランプリに出場。予選24位という厳しい状況から決勝レースに進出、念願のF1デビューを果たしました。デビュー戦では13位でフィニッシュ、F1の舞台で存在感を示しました。

その後もエンサインをベースにしたボロのマシンで、ベルギー、モナコ、スウェーデンと3戦連続でグランプリに出場します。モナコでは予選落ちを経験するものの、ベルギーでは8位と健闘しました。

この活躍が認められ、ドイツグランプリで負傷したニキ・ラウダの代役としてフェラーリに移籍したカルロス・ロイテマンの後任としてブラバムに移籍しますが、チームのエースであるカルロス・パチェに一歩及ばず苦戦しました。最終戦の日本グランプリでは悪天候によりわずか1周でリタイアという結果に終わりました。

1977年にはBRMに移籍しますが、チームの資金難という困難な状況の中でブラジルと南アフリカの2戦に出場したのみでチームを離脱します。BRMはこの年、イタリアグランプリを最後にチームを解散することとなりました。

その後、サーティースに移籍しベルギーグランプリに出場しますが、12位でフィニッシュ。続くスウェーデンとフランスでは予選落ちとなり、F1キャリアに幕を閉じました。

F1引退後：オーストラリアでの活躍

F1引退後はオーストラリアへ帰国し、ツーリングカーレースへ活躍の場を移します。そして、オーストラリアを代表する耐久レース「バサースト1000」ではホールデンを駆り、1982年から1984年まで3連覇を達成。さらに1993年、1995年、1997年にも優勝を果たし、その名をレジェンドとして刻み込みました。1988年にはル・マン24時間レースにもジャガーのワークスチームから参戦し、4位という好成績を残しています。

ラリー・パーキンスは、F1という世界で眼鏡をかけたドライバーとして異彩を放ち、持ち前の技術と不屈の精神で数々のレースを戦い抜いた、オーストラリアが生んだ偉大なレーシングドライバーと言えるでしょう。彼の功績は、モータースポーツの歴史に深く刻まれています。

もう一度検索