BSパワー調査

BSパワー調査：BS放送視聴動向を探る

BSパワー調査は、日本のBS放送局が共同で実施する、BS放送の視聴状況に関する定期的なアンケート調査です。地上波放送の視聴率とは異なる独自の調査方法や特徴を持つ、BS放送理解の重要な指標となっています。

調査の背景と歴史

2010年以前、日本の視聴率調査は地上波放送が中心で、BS放送は他のチャンネルとまとめて扱われることがほとんどでした。この状況を改善するため、民放キー局系のBSデジタル放送5社（BS日テレ、BS朝日、BS-TBS、BSテレ東、BSフジ）が中心となり、2005年6月からBSパワー調査が開始されました。調査業務はビデオリサーチに委託されています。

当初はB-CASカード登録世帯を対象としたアンケート調査でしたが、2011年3月のB-CASユーザー登録制度廃止に伴い、RDD法（Random Digit Dialing）による無作為抽出調査に切り替えられました。2011年10月にはBS11が参加し、さらに2015年4月には調査方法が機械式調査に移行、NHK BS1、NHK BSプレミアム、TwellV、Dlifeも加わり、調査規模が拡大しました。2021年4月からは、BS放送に加えCS放送も対象とした「テレビ接触率 全国ペイテレビ調査」に移行し、より広範な視聴状況の把握を目指しています。

調査方法の詳細

調査方法は、時代と共に変化を遂げてきました。当初はアンケート調査でしたが、B-CAS登録制度廃止後はRDD法による無作為抽出調査となり、現在では機械式調査が用いられています。機械式調査では、全国の約1000世帯を対象に、毎月第1月曜日から2週間の視聴状況を測定しています。東日本大震災の影響により、一時的に岩手県、宮城県、福島県の調査が見送られた時期もありました。

調査対象と公表内容

調査対象チャンネルは、参加放送局によって変遷があります。当初は民放キー局系のBSデジタル5局でしたが、現在ではNHK BS1、NHK BSプレミアム、TwellV、Dlifeなども含まれます。ただし、放送大学や有料放送チャンネル（WOWOW、スターチャンネル、スカパー!のBSチャンネルなど）は調査対象外です。

公表されるのは、ゴールデンタイム、プライムタイム、全日、そしてBS独自の指標である「BSプライム（毎日19時～翌0時）」の週平均接触率です。地上波の視聴率調査と比較すると、「ノンプライム」の時間帯区分がなく、「BSプライム」が設定されている点が特徴です。個々のチャンネルや番組ごとの視聴率は原則として公開されません。

地上波視聴率調査との違い

BSパワー調査は、地上波放送の視聴率調査とは異なる点があります。まず、調査対象がBS放送に限定されている点、そして「BSプライム」という独自の指標を用いている点が挙げられます。地上波では、時間帯別に視聴率が詳細に分析されますが、BSパワー調査では、より大まかな視聴傾向を把握することに重点が置かれています。

まとめ

BSパワー調査は、BS放送の視聴状況を把握するための重要な調査です。調査方法は時代に合わせて変化しており、常に精度向上を目指しています。地上波放送とは異なる特徴を持つこの調査は、BS放送の番組編成や広告戦略などに役立てられています。今後の動向にも注目が集まります。

もう一度検索