BT-2

BT-2（ベテー・ドゥヴァー）戦車の概要

BT-2はソビエト連邦にて開発された快速戦車で、正式名称はロシア語で「Быстроходный танк」と表記されます。これはアメリカのクリスティーM1940戦車を基にした初の量産型であり、優れた機動性の特性を持つため、騎兵部隊の支援や長距離侵攻に使用されることを意識して設計されました。

設計と改良

BTシリーズの中では、最初の量産型として位置付けられるBT-2は、クリスティー戦車の特徴を持ちながら改良が加えられています。特に、厳しい路外性能の試験中にクリスティー戦車の尖った前部が損傷したため、そこに厚さ40mmの装甲板を取り付けて強化しました。また新型の砲塔も搭載されるなど、性能向上が図られました。

主な武装として37mm砲を搭載し、これはドイツが開発した対戦車砲を改修したもので、赤軍でも採用されました。当初、生産されたのは60輌で、外部防盾のないシンプルな型でしたが、その後120輌は7.62mm DT機関銃を搭載したバージョンとして生産されました。しかし、37mm砲の生産が終了し、最終的には180輌しか生産できませんでした。

エンジンと駆動方式

エンジンに関しては、オリジナルのクリスティー戦車と同様にV型12気筒のリバティL-12を使用しており、最初の100輌はこのエンジンで運用されました。ただし、パレード中に一部故障が発生したため、後に新たなディーゼルエンジンの搭載も検討されましたが、パワー不足のため現行のリバティの国産版であるM-5が引き続き使用されました。

駆動方式は、クリスティーと同じく履帯を外し二輪のみで操作する方法ですが、BT-2の生産にあたり伝達方式が変更され、ギア連結式に改良されました。この結果、動力が両輪に伝わることで路外性能が向上しました。

運用と実戦

1931年5月23日に採用が決定されたBT-2は、試作車を残し本格的に生産が始まりました。初の配備は1932年で、機械化旅団の一部としてT-26やT-27などと共に運用されました。しかし、火砲の搭載が予定通りに進まなかったため、BT-5よりも実戦投入が遅くなりました。

その運用歴の中で、初めて冬戦争に参加させられましたが、厳しい雪の影響で機動力を十分に発揮できなかった上、装甲も不十分であったため苦戦しました。しかし、1939年にはポーランド侵攻に参加し、戦闘では549輌が配備されており、ドイツ軍との対峙に備えていました。

改造とその後

また、BT-2の車両を改造して双砲塔を持たせたBT-4という新型が計画されましたが、試験的に20輌が製造されたのみで、その後の大規模な製造には至りませんでした。

登場作品

BT-2は、オンラインゲーム『World of Tanks』にも登場し、ソ連軽戦車としてプレイヤーに利用されています。

このように、BT-2はその設計上の特性や実戦での運用から多くの改良が施され、ソ連戦車の発展に寄与した重要な車両であるといえるでしょう。

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