BT-7

BT-7 戦車の概要

BT-7（ベテー・スィェーミ、ロシア語:БТ-7）は、ソビエト連邦が開発した快速戦車で、主に騎兵部隊の支援や長距離侵攻を目指して設計されました。BTシリーズの最終型として、1935年から1940年にかけて、合計4600輌から5328輌（諸説あり）が生産されました。その中でもディーゼルエンジンを搭載したBT-7Mは706輌から788輌と、限られた数となっています。

機能と設計

本車は前型のBT-5から装甲とエンジンを強化しつつ、若干の大型化を図りました。正面装甲板の厚さは13mmから15mmに増強され、砲塔の形状も進化しました。特に、1937年からの時期に製造された砲塔は、丸みを帯びたハッチと傾斜した側面装甲を持っています。また、1938年後期型はDT機関銃を装備し、1939年型からは対空機関銃架も搭載されました。

搭載されるエンジンは、450馬力のM-17Tであり、その重さをカバーしています。燃料タンクは840リットルに大きくなり、航続力の向上にも寄与しました。BT-7はまた、旧型の形状から脱却し、背面から突き出る延長型の排気管を採用しています。履帯もBT-5とは異なる新型が導入されていますが、互換性があり、旧型の履帯を使用したBT-7の写真も存在します。

BT-7M への進化

戦車の安全性向上のため、軽油を使用するディーゼルエンジン型のBT-7Mが開発されました。このエンジンは、アルミ合金を使用し軽量化が図られました。特にドイツのユンカース社からの技術も取り入れています。1939年12月に軍へ引き渡されたBT-7Mは、外見上エンジングリルの形状に違いがあり、従来のモデルと識別可能です。

BT-7Mはノモンハン事件において既存のBT-7よりも多くの実戦経験を積みましたが、やはり日本陸軍の攻撃に苦しむ場面も多く見られました。特に装甲の弱さが問題視されたものの、BT-7のグループ戦術は、火炎瓶や地雷に対して効果的でありました。

実戦での運用

ノモンハン事件に加え、ポーランド侵攻や冬戦争においてBT-7は活躍しましたが、雪に適応した履帯の欠如から、特に冬戦争では成果を上げることが難しかったことが報告されています。ドイツによるソ連侵攻では、装甲や乗員のスキル不足が影響し、多くのBT-7が撃破されました。それでも1945年の満州侵攻では、BT-7は北方戦線での戦闘に参加し、成功を収めた部隊も存在しました。

バリエーションと派生型

BT-7を基にした派生型には多くのものがあります。主力戦車として活躍したBT-7Aや、様々な戦闘支援に用いられる仕様が開発されました。またBT-SVやBT-SV-2などは、装甲強化が施され、後のT-34に影響を与える結果となりました。さらに火炎放射戦車や水陸両用車両といった、バリエーションも多様です。

文化的影響

BT-7は、漫画『パンプキン・シザーズ』や各種ゲームに登場し、その存在感を示しています。これにより、歴史的戦車の一つとしての認識が一般に広まりました。BT-7は、ソビエト連邦の機動戦とその戦車運用の象徴的存在として、今もなお多くの人々の記憶に残り続けています。

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