BYD・K8

K8（ケーエイト） - 比亜迪汽車製の大型電気バス

K8は、中国の比亜迪汽車（BYD）が製造する大型電気バスで、2011年から製造が始まりました。中国本国にとどまらず、世界各国で販売され、環境に優しい交通手段として注目されています。

バッテリー性能

K8は、HEV（ハイブリッド電気自動車）や従来型のディーゼルバスに比べ、優れた航続距離を誇ります。日本向けのバリエーションには、1.0仕様（287kWh）が220km、2.0仕様（314kWh）が240km、中国仕様（319kWh）で300kmの航続距離があります。バッテリーには、BYDの自社開発によるリン酸鉄リチウムイオン電池が使用されており、安全性と環境への配慮が徹底されています。これらのバッテリーは、タイヤハウス上または屋根上に設置されています。

車両設計

K8は、アルミニウム合金をベースにした軽量な車体設計により、エネルギー効率の向上を図っています。特に日本市場向けにカスタマイズされた仕様では、国土交通省の「標準仕様ノンステップバス認定」を海外メーカーとして初めて取得しました。これは、日本の厳格な安全基準を満たしつつ、利用者の利便性を考慮した設計です。

日本市場への導入

K8が日本市場に導入されたのは2015年で、最初のモデルK9（全長12.0m）に代わって登場しました。中国製の車両を基に日本のニーズに合わせた仕様変更が施され、特に非常口が後部右側に配置されるなど日本の法規に適合しています。K8 1.0は2020年に販売が始まり、その後多くの事業者によって導入されています。

K8 2.0の特徴

2022年には、K8 2.0が発売されました。このモデルでは、先代モデルと比較して中扉のデザインが更新され、車内の後部エリアがフルフラット構造になっています。314kWhのバッテリーを搭載しており、以前のモデルに比べてさらに使いやすくなっています。2024年には、広島県の広島交通が初めてこのモデルを導入しました。

運行事業者の展開

多くの運行事業者がK8を取り入れています。例を挙げると、平和交通、阪急バス、東京電力などが導入し、各地域の公共交通の一翼を担っています。また、運行を開始した事業者の中には、運行管理の透明性や環境配慮が評価され、多くの支持を集めています。

K8は、環境意識が高まるなかで、持続可能な公共交通の実現に向けて重要な役割を果たしています。また、技術革新により、より多くの地域で利用される可能性を秘めた電気バスであり、今後もますます成長していくことが期待されています。

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