BlackBerry Bold

BlackBerry Bold 9000：日本のビジネスシーンを席巻した革新的スマートフォン

2009年2月、日本の携帯電話市場に大きな変革をもたらしたスマートフォン、BlackBerry Bold 9000が登場しました。カナダのResearch In Motion（RIM、現ブラックベリー）社が開発したBlackBerryシリーズの一機種で、NTTドコモが『docomo PRO series』として日本で初めて発売したBlackBerry端末です。それまで、法人向けに限定的に販売されていたBlackBerryが、一般消費者にも広く利用できるようになった画期的な出来事でした。

世界中で愛されたBlackBerryの日本上陸

BlackBerry Bold 9000は、アメリカ、ヨーロッパ、アジア、オーストラリアなど世界中で発売され、その高い機能性と信頼性から高い評価を得ていました。特徴的なのは、前面に配置されたQWERTYキーボードです。物理的なキーボードによる快適な文字入力が、多くのビジネスパーソンを魅了しました。また、プッシュ型電子メール機能は、常に最新のメールを受信できるため、ビジネスの効率化に大きく貢献しました。

日本では、2006年9月からBlackBerry 8707hが発売されていましたが、メーカーブランド扱いだったため、一般の販売店での購入や保守は困難でした。BlackBerry Bold 9000はドコモブランドとして発売されたため、ドコモショップや家電量販店で容易に購入し、保守サービスも受けられるようになりました。この点が、一般ユーザーにとって大きなメリットとなりました。

充実の機能と高いパフォーマンス

BlackBerry Bold 9000は、当時のスマートフォンとしては非常に高い性能を誇っていました。3G（HSDPA）対応で下り最大3.6Mbpsの高速通信を実現し、FOMAプラスエリアにも対応していたため、全国で快適な通信ができました。さらに、無線LAN（IEEE 802.11 a/b/g）にも対応し、SkypeなどのIP電話も利用可能でした。

メール機能も充実していました。BlackBerry Internet Service（BIS）とBlackBerry Enterprise Service（BES）の2種類のネットワークサービスに対応し、個人ユーザーから企業ユーザーまで幅広く利用できました。BISでは、@xxx.blackberry.comのメールアドレスと、最大10個のメールアカウントを利用でき、プッシュ型メールで常にメールの着信を確認することができました。

また、ブラウザはBlackBerryブラウザ、Internet Explorer、Firefoxの3種類を搭載。モバイルサイトからPCサイトまで、様々なWebサイトにアクセスできました。さらに、GPS機能も内蔵しており、Google Mapsなどの地図アプリと連携して利用できました。

カスタマイズ性と拡張性

BlackBerry Bold 9000は、高いカスタマイズ性も魅力でした。バッテリーカバー、キーボード、トラックボールなどを交換することで、自分好みにデザインを変更できます。また、microSDHCカードに対応していたため、ストレージ容量を簡単に拡張することもできました。

様々なアプリケーションも利用可能でした。初期にはプリインストールアプリが中心でしたが、2010年6月からはBlackBerry App Worldが利用可能になり、ユーザーは様々なアプリをダウンロードして利用できるようになりました。

発売後のアップデートと進化

BlackBerry Bold 9000は発売後も進化を続けました。2011年4月にはOSがバージョン5.0にアップデートされ、ブラウザのレンダリング速度が向上するなど、パフォーマンスが向上しました。また、spモードアプリが利用可能になり、さらに利便性が向上しました。

まとめ

BlackBerry Bold 9000は、高い機能性、カスタマイズ性、そして信頼性を兼ね備えた、画期的なスマートフォンでした。日本のビジネスシーンにおいて、高い人気を獲得し、スマートフォンの普及に大きく貢献しました。その歴史は、今日のスマートフォン発展の礎となっています。

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