Blanche

『Blanche』（ブランシュ）は、日本のロックシンガー浜田麻里が2000年2月23日にリリースした18枚目のオリジナルアルバムです。ポリドール（現・ユニバーサルミュージック）在籍時最後のアルバムであり、1年半ぶりの新作として発表されました。

このアルバムの特徴として、まず挙げられるのは、リズムトラックが打ち込みを主体としている点です。これにより、従来のバンドサウンドとは異なる、よりデジタルで洗練されたサウンドが追求されています。また、浜田自身が手掛けたボーカルパートの多重録音によるハーモニーが、楽曲全体を通して強調されており、その美しい歌声が幾重にも重なり合うことで、独特の奥行きと立体感を生み出しています。全11曲中6曲が共作曲となっており、浜田麻里自身の音楽的な多様性と新たな試みが感じられる作品です。

参加ミュージシャンも豪華で、国内からは増崎孝司（DIMENSION）、大槻啓之、増田隆宣、小野塚晃（DIMENSION）といった実力派ミュージシャンが名を連ねています。海外からは、マイケル・ランドウ、ディーン・パークス、リーランド・スカラー、ケヴィン・サヴィガー、ロビー・ブキャナン、ルイス・コンテなど、世界的に活躍するトップミュージシャンたちが参加しており、アルバムのクオリティをさらに高めています。

『Blanche』は、2005年からiTunes Storeでの配信が開始されました。さらに、2014年にはユニバーサルミュージック/USM JAPANから、リマスタリングを施したSHM-CD仕様で再発売されています。特筆すべき点として、ポリドール時代のオリジナル盤とリマスタリング盤の双方が配信されている点が挙げられます。これは、オリジナル版の持つ魅力を尊重しつつ、より高音質で作品を楽しんでほしいという意図によるものと考えられます。オリジナル盤とリマスター盤、それぞれを聴き比べることで、楽曲の新たな魅力を発見できるかもしれません。

収録曲は以下の通りです。

1. BLANC
2. Stay Gold
3. Ash And Blue
4. Ever After
5. CALL MY NAME
6. Can't Change Love
7. Somebody's Calling
8. In My Private Heaven
9. Border Line
10. Antique
11. Tomorrow

『Blanche』は、浜田麻里のキャリアの中でも、実験的なサウンドアプローチと美しいハーモニーが際立つ作品として、ファンのみならず多くの音楽愛好家にとって聴きごたえのある1枚と言えるでしょう。デジタルサウンドを大胆に取り入れつつも、浜田麻里のパワフルで繊細な歌声は健在で、その卓越した表現力は多くのリスナーを魅了します。再発や配信によって、今でも手軽に聴けるようになったこのアルバムを、ぜひ体験してみてください。

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