リーランド・スカラー

リーランド・スカラー（Leland Sklar, 1947年5月28日生まれ）は、アメリカ合衆国ウィスコンシン州ミルウォーキー出身のベーシスト、歌手、作曲家です。リーランド・ブルース・スカラー（Leland Bruce Sklar）が本名で、「Lee Sklar」というクレジット名義も使用します。

ジェームス・テイラーの作品への参加で広く知られるようになり、日本でも非常に人気のあるセッションミュージシャンとして、多くのアーティストのレコーディングやライブに参加しています。長く伸ばした髪と髭がトレードマークであり、その独特な風貌も彼の特徴の一つです。

ローリング・ストーン誌が選ぶ「史上最高のベーシスト50選」では、47位にランクインしており、その実力が世界的に認められています。

生い立ちとキャリア

ウィスコンシン州で生まれましたが、幼少期に家族でカリフォルニア州に移住しました。4歳からピアノを始め、10代前半にベースに転向しました。カリフォルニア州立大学ノースリッジ校で音楽を専攻していた時に、バンドのオーディションを通じてジェームス・テイラーと出会い、その後のキャリアを共に歩むことになります。

テイラーの音楽性が評価されるにつれて、スクラー自身も注目されるようになり、西海岸を中心にスタジオミュージシャンとしての活動を本格化させました。特に、テイラーのサポートメンバーであったドラマーのラス・カンケル、ギタリストのダニー・コーチマー、キーボーディストのクレイグ・ダーギと共に結成した「ザ・セクション」は、その高い演奏力で音楽業界に大きな影響を与えました。

その後、ジャクソン・ブラウン、リタ・クーリッジ、ミッシェル・ポルナレフ、フィル・コリンズ、ホール&オーツなど、様々なジャンルのアーティストのセッションに参加。デヴィッド・フォスターのようなAOR系のアーティストから、ビリー・ゴブハムのようなジャズ・フュージョン系のアーティストまで、幅広い音楽を手がけました。さらに、映画やテレビのサウンドトラックの録音にも数多く参加しています。

日本でもジェームス・テイラーや「ザ・セクション」の影響を受けたミュージシャン、例えば松任谷由実、五輪真弓、中島みゆき、浜田麻里などの作品に参加しており、日本の音楽シーンにも貢献しています。1995年から1996年には、吉田拓郎のツアーやアルバム制作にも参加しました。

2007年からは、病気療養のため離脱したマイク・ポーカロの代役として、TOTOのツアーメンバーとしても活動しています。

主な参加作品

リーランド・スカラーは数多くのアルバムやサウンドトラックに参加しており、その一部を以下に紹介します。

主な映画・テレビのサウンドトラック

Annabelle's Wish (1997)
Black Dog (1998)
Catwalk (1994)
Conspiracy Theory (1997)
Coyote Ugly (2000)
Doctor Detroit
Dr. T & the Women (2000)
For Love of the Game (1999)
キューティ・ブロンド (2001)
Message in a Bottle (1999)
Metropolis (1984)
Phantom of the Paradise (1974)
The Postman (1997)
The Prince of Egypt (1998)
* Sleepwalkers (1992)

これらの作品からも分かるように、リーランド・スカラーは、幅広いジャンルでその才能を発揮し、音楽業界に欠かせない存在として、現在も活躍を続けています。

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