Cレーション

Cレーション (C-Ration) の概要

Cレーションは、アメリカ軍が第二次世界大戦中に使用した戦闘糧食の一種です。その開発は1938年に始まり、1945年までの間に製造され、兵士たちに配給されました。Cレーションは、兵士が前線で必要とする栄養素やカロリーを摂取できるよう設計された缶詰タイプの食事で、通称「Cラッツ」とも呼ばれています。

背景

第一次世界大戦の頃、アメリカ軍では前線に食料を輸送していましたが、その多くは調理された温かい食事ではなく、あまり効果的ではありませんでした。そのため、アメリカ軍は新たな戦闘糧食を開発することになりました。1930年代半ばに入ると、ビタミンやミネラルの研究が進み、食料栄養部が設立されました。このような背景のもと、新しい戦闘糧食であるDレーションやCレーションの開発がスタートしました。

Cレーションの開発過程

Cレーションは、当初から調理済みで栄養バランスに優れた食事を目指して開発されました。特に、生計研究開発所のW・R・マクレイノルズ少佐が提案した缶詰型のアイデアは、後にCレーションの基盤となります。1938年には、肉とパンを組み合わせた6缶のセットが考案され、1940年には正式にCレーションとして採用されることに。

Cレーションの内容

Cレーションは、肉類を含むMユニットと、パンを含むBユニットで構成されていました。最初は10種類のメニューがありましたが、次第に3種類のみに絞られました。具体的には、ポーク・アンド・ビーンズ、ミート・アンド・ベジタブルハッシュ、ミート・アンド・ベジタブルシチューの3品です。これらはすべて缶詰で提供され、兵士たちが食べやすいように工夫されていました。

評判と改善

実際にサービスを受けた兵士たちからは、缶詰のサイズや味付けに関して様々な意見が寄せられました。大きな缶や濃い味付け、豆類の多さが指摘され、多くの場合、冷たい状態で食べられがちだったため、味が嫌われる原因となりました。これを受けて、陸軍はCレーションの改善に取り組むことになります。

特に、1941年には軽量化が図られ、ビスケット代わりにチョコレートや即席コーヒーが追加されるなど、メニューも更新されました。また、兵士たちからのフィードバックを基に、飲料やお菓子なども品目に加え、バリエーションが増えていきました。

軍用糧食の進化

Cレーションは第二次世界大戦を経て、朝鮮戦争やベトナム戦争の際にも使用されましたが、1958年にはMCIレーションへと改良され、その後もCレーションの名称は続いて使われました。そこで使われた食料は引き続き缶詰形式であり、兵士たちの栄養を支える役割を果たしていました。

Cレーションの開発と改良の歴史は、戦争という厳しい環境下でいかにして兵士たちの栄養を確保し、士気を高めるかという問題に取り組んだ結果なのです。今日、Cレーションはその名称とともに、アメリカ軍の食糧戦略の重要な一部として記憶されています。

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