C450 (航空機)

C450 コレオプテール: フランスのVTOL実験機

C450 コレオプテールは、フランスの航空機製造企業SNECMAによって1950年代に開発された、いわゆる「テールシッター」と呼ばれるVTOL（垂直離着陸機）実験機です。名称の「コレオプテール」はフランス語で「甲虫」を意味し、そのユニークな形状を象徴しています。

シンプルな設計

C450は非常にシンプルな構造を持っています。垂直に立てられたスネクマ アタージェットエンジンの先端にコックピットが設置されており、その下部はドラム缶のような形状をしています。 ただし、この部分にファンはなく、設計されたのは円筒翼としての機能です。この円筒翼は、機体の胴体から四つの小さなフィンで固定されており、内部には燃料タンクが配置されています。さらに、最下部には車輪と小さな尾翼が取り付けられており、離着陸の際の安定性を保つ役割を果たします。

垂直離着陸時の操縦は、ジェットエンジンの推力を偏向させることで行われ、着陸時には機首を持ち上げやすくするための先尾翼が格納されています。操縦席や飛行制御機構は、機体が垂直でも水平でも同じ姿勢を維持できるように設計されています。これにより、パイロットは様々な飛行態勢に対応することが可能でした。

開発の背景

C450の開発は1956年に始まり、1958年に試作機が完成しました。製造はノール・アビアシオンが行い、当時の技術者たちは新たな航空機の可能性を追求しました。C450は、1958年4月にフランス空軍に納入され、1959年5月6日に初飛行に成功しました。残念ながら、垂直上昇後に水平飛行へ移行できたかどうかは定かでありません。

その後、1959年7月25日に行われた9回目の試験中に操縦不能に陥り、パイロットはなんとか脱出しましたが、機体は大破してしまいます。この事象はプロジェクトに大きな影響を与え、予算の問題も相まってC450プロジェクトは終了を迎えることとなりました。

性能と仕様

C450の具体的な性能の詳細は不明な点が多いですが、以下に基本的なスペックをまとめてみました。

• - 全長: 8 m
• - 全幅: 3.2 m
• - エンジン: スネクマ アター101EV ジェットエンジン（推力 3700 kg）×1
• - 最大速度: 不明
• - 航続距離: 不明
• - 上昇限度: 不明
• - 乗員: 1名
• - 生産数: 1機

結論

C450 コレオプテールは、その独特のデザインと技術的な挑戦により、航空機開発史の中で特異な存在として記憶されています。現代にもリスペクトされる技術の基盤を築いたこの試作機の歴史は、今なお多くの航空ファンの注目を集めています。

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