CAベルグラーノ

クルブ・アトレティコ・ベルグラーノ：コルドバの海賊

クルブ・アトレティコ・ベルグラーノは、アルゼンチンのコルドバ州コルドバに本拠地を置く、歴史と情熱に満ちたスポーツクラブです。地元では「ベルグラーノ・デ・コルドバ」とも呼ばれ、その名はアルゼンチンの英雄、マヌエル・ベルグラーノ将軍に由来します。クラブカラーはアルゼンチン国旗から取られており、その誇りを象徴しています。

海賊の誕生秘話

1905年、10代の若者たちが集まり、ベルグラーノを設立しました。初代会長には、当時わずか14歳だったアルトゥーロ・オルガスが就任。クラブは1908年にコルドバ州リーグ2部に初参加し、3シーズン連続で優勝して1部リーグへの昇格を果たします。

しかし、当時のスタジアムは1部リーグの基準を満たしていませんでした。そこで、ベルグラーノのサポーターと選手たちは、近隣の住宅から必要な物資を「借用」するという、大胆な行動に出ます。もちろん、これは一時的な措置であり、試合後には返却されるはずでした。しかし、実際にはそのまま「借用」し続けることになり、このエピソードが「ロス・ピラータス（海賊）」というニックネームの由来となりました。

輝かしい地域タイトル

コルドバ州サッカー協会が設立されると、ベルグラーノは1913年の第1回大会で優勝。翌年には、ライバルであるタジェレス・デ・コルドバとの間で初のコルドバ・ダービーが開催されました。この試合では、ベルグラーノの疑惑のゴールに抗議したタジェレスが試合終了4分前にピッチを離れるという、後味の悪い結果となりました。

その後、両クラブは毎年のようにコルドバ州リーグで対戦し、激しいライバル関係を築いていきます。1929年3月17日には、アルゼンチン最初期のセメント造スタジアムであるエスタディオ・ヒガンテ・デ・アルベルディが完成。1929年から1937年の間は、1934年を除いてすべてのシーズンで州リーグ1部優勝を果たしました。その後も、1940年、1946年、1947年、1950年、1952年、1954年、1955年、1956年、1957年と、数々のタイトルを獲得しています。

全国リーグでの挑戦

1968年、ベルグラーノは初めて全国選手権に参加。1986年にはプリメーラB・ナシオナル（2部）に昇格し、1992年には念願のプリメーラ・ディビシオン（1部）昇格を果たしました。1996年に再び2部降格となりますが、1998年には再びトップリーグに返り咲いています。

エル・ヒガンテは1997年に改修工事が行われ、1部リーグと2部リーグのスタジアム基準に適合するようになりました。しかし、2001-02シーズン終了後には、再び降格を経験します。

昇格と躍進

2005-06シーズン終了後には昇格プレーオフに出場し、オリンポ・デ・バイーア・ブランカを破ってプリメーラ・ディビシオン昇格を決めましたが、わずか1シーズンで再び降格。2011年1月にリカルド・シエリンスキ監督が就任すると、チームは大きく躍進します。2010-11シーズンは4位となり、昇降格プレーオフに出場。プリメーラ・ディビシオン17位のCAリーベル・プレートに勝利し、見事昇格を果たしました。

2011アペルトゥーラでは、セサル・フェレイラが得点ランキング2位となる7得点を挙げ、チームはボカ・ジュニアーズ、ラシン・クラブ、CAベレス・サルスフィエルドに次ぐ4位（勝ち点では2位タイ）という好成績を収めました。2012クラウスーラは14位に終わりますが、2012イニシアルでは10勝6分3敗で勝ち点36を獲得し、優勝したベレス・サルスフィエルドと2位ニューウェルズ・オールドボーイズに次ぐ3位に躍進しました。

ユニフォームとタイトル

ベルグラーノは、1905年のクラブ創設以来、ホームゲームでは青色のユニフォームを着用しています。アウェーゲームでは、黒色、黄色、赤色、灰色など、様々なカラーのユニフォームを使用しています。

その長い歴史の中で、ベルグラーノは数多くの地域タイトルを獲得してきました。スーペルリーガ・アルヘンティーナ（コルドバ州リーグ）では31回、セグンダ・ディビシオン・リーガ・コルドベーサ（コルドバ州リーグ2部）では3回、トルネオ・レヒオナルでは9回、トルネオ・デル・インテリオールでは1回、トルネオ・レヒオナル・デ・AFAでは10回の優勝を誇ります。

クルブ・アトレティコ・ベルグラーノは、コルドバの人々にとって、単なるサッカークラブ以上の存在です。その歴史、情熱、そして「海賊」というニックネームに込められた反骨精神は、今もなお、多くの人々の心を捉えて離しません。

もう一度検索