CADAM

CADAM（キャダム）は、Computer Augmented Design and Manufacturingの略称で、ロッキード社が開発した機械系2次元CADソフトウェアです。

概要

もともとはロッキード社が社内で航空機の設計に使用するために開発したツールでしたが、1972年から外販を開始し、IBMのメインフレームとのセットで販売されました。この組み合わせにより、CADAMは大手自動車メーカーをはじめとする多くの企業で採用され、機械系CADソフトウェアとして大きな市場シェアを獲得しました。

1983年には、CADAM INCがロッキード社の子会社として設立され、CADAMの開発は子会社に移管されました。その後、IBMがCADAM INCを買収し、ソフトウェアの権利を取得しました。1992年には、CADAM事業がIBMからダッソー・システムズ社に売却されました。これにより、CADAMはダッソー・システムズ社の3次元CADソフトウェアであるCATIA V4と統合されることになりました。現在では、CADAMはCATIA CADAM Drafting (CCD)という名称に変更され、CATIA V5のコンポーネントの一つとして提供されています。

特徴

CADAMは、主にIBM製のホストコンピュータと専用端末のセットで使用されていました。操作には、通常のキーボードに加えて、作図機能を直接選択するための独自の「ファンクションキーボード」が用いられていました。このファンクションキーボードは、CADAMの効率的な操作に不可欠な要素でした。

また、1985年には、ホストコンピュータ上で動作していたCADAMの機能をパーソナルコンピュータに移植したMICRO CADAMが登場しました。このMICRO CADAMは、CADAMがダッソー・システムズ社に売却された後も、日本アイ・ビー・エム・サービス株式会社によって開発・サポートが継続されています。MICRO CADAMは、CADAMの技術をより身近な環境で利用できるようにした重要な製品です。

関連項目

CATIA：ダッソー・システムズ社が提供する3次元CADソフトウェアで、CADAMが統合された製品。
CADAM Drafting：CADAMがCATIAと統合された後の製品名で、2次元作図機能を提供します。
* MICRO CADAM：CADAMの機能をパソコンに移植した製品で、現在も開発・サポートが継続されています。

CADAMは、2次元CADの黎明期から存在し、その後のCADソフトウェアの発展に大きな影響を与えたソフトウェアの一つです。航空機設計から自動車産業まで幅広い分野で利用され、その技術は現在のCADソフトウェアにも受け継がれています。

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