CATIA

CATIA（キャティア）とは

CATIA（Computer Aided Three-dimensional Interactive Application）は、フランスのダッソー・システムズ社が開発した、ハイエンド3次元CADソフトウェアです。その高度な機能と幅広い対応力から、世界中の多くの企業で利用されています。

歴史

CATIAは、ダッソー・システムズが1981年の創業以来開発を続けてきた製品です。初期のバージョン（V1〜V4）は、IBMのメインフレームやUNIXワークステーションをプラットフォームとしていました。特にCATIA V4は、1993年の発売からWindows非対応でありながらも、その優れた性能から多くの企業で長年利用されてきました。

1999年には、SolidWorks社を買収したダッソー・システムズ社からCATIA V5が発売されました。V5では、履歴ベースのパラメトリックモデリングが導入され、Windows版が主流となりました。CATIA V4とV5の間にはデータ互換性がなく、操作性も大きく異なるため、別のソフトウェアとして扱われています。V4はエクスプリシットなノンヒストリーCAD、V5以降はヒストリーベースのパラメトリックCADという違いがあります。また、V5ではNURBSではなく、NUPBSによる曲線定義を採用している点も特徴的です。

2008年には、PDM（ENOVIA）との統合を強化したCATIA V6が登場しました。これにより、チーム設計やコンカレント開発がより効率的に行えるようになりました。V6はV5とのデータ互換性を持ち、共存利用が可能です。2014年以降は、V6の名称が3DEXPERIENCE（3DEXP）に変更されています。

主な利用分野

当初は航空機設計のために開発されたCATIAですが、現在では、航空宇宙分野だけでなく、自動車、重工業、電機メーカーなど、幅広い分野で利用されています。特に、大規模なアッセンブリ設計や複雑な形状のモデリングにおいて、その能力が発揮されます。

主な機能

CATIAには、用途に応じた様々なモジュールが用意されています。例えば、V4では、設計（MECH）、製造（MFG）、解析（ANS）などのモジュールがあり、V5以降では、さらに細分化されたパッケージが提供されています。

CATIA V5の標準構成パッケージ

CATIA V5は、プラットフォーム1〜3の3つの標準構成パッケージと、多数のアドオンモジュールで構成されています。

プラットフォーム1：基本的なメカニカルデザイン、マシニング、製品合成、形状デザイン、およびインフラストラクチャ機能を提供します。
プラットフォーム2：より高度なメカニカルデザイン、マシニング、製品合成、形状デザイン機能に加えて、設備およびシステムエンジニアリングと分析ツールを提供します。
プラットフォーム3：さらに高度な機能、特に航空宇宙業界向けのシートメタルデザイン、複合材デザイン機能を提供します。

各プラットフォームには、以下のようなモジュールが含まれています。

メカニカルデザイン：部品設計、アセンブリ設計、板金設計、金型設計など
マシニング：NC加工、工具設計、シミュレーションなど
プロダクトシンセシス：DMU（デジタルモックアップ）、ナレッジベース、解析ツールなど
シェイプデザイン＆スタイリング：自由曲面モデリング、リバースエンジニアリングなど
インフラストラクチャ：データ管理、インターフェース、拡張機能など
イクイップメント＆システムエンジニアリング：電気設計、配管設計、プラントレイアウトなど
アナリシス：構造解析、熱解析、流体解析など

稼働OS

CATIAは、Windowsだけでなく、AIX、HP-UX、IRIX、SolarisなどのUNIX系OSでも動作します。これにより、大規模なシステムでの利用を可能にしています。

CATIA関連ソフトウェア

CATIAは、以下の様なソフトウェアと連携して利用されることが多くあります。

BPA：ビジネスプロセス分析ツール
ENOVIA VPM：製品データ管理（PDM）システム
ENOVIA SmarTeam：中小企業向けPDMシステム
ENOVIA MatrixOne：大規模企業向けPDMシステム
DELMIA：デジタル製造ソリューション
SIMULIA：シミュレーションツール
3DVIA Composer：技術ドキュメント作成ツール
3DLive：3Dデータ共有プラットフォーム

まとめ

CATIAは、その長い歴史の中で、常に最先端の技術を取り入れ、進化を続けてきました。その高度な機能と幅広い対応力から、今後も多くの企業で利用され続けるでしょう。

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