CASA CN-235

CASA/IPTN CN-235について

CASA/IPTN CN-235は、スペインのCASAとインドネシアのIPTNによって共同開発された中距離双発ターボプロップ機です。この機体は、地域型旅客機としての機能を有しつつ、軍用輸送機としても活用されています。その用途には、海洋哨戒、監視、部隊輸送の他に、対地攻撃型としてのガンシップバージョンも存在します。最大の運用国はトルコで、61機を運用しています。

設計・開発

CN-235の設計は1980年1月に開始され、1983年には初飛行を果たしています。1986年に量産体制が整い、初運航が開始されました。この開発プロジェクトは、エアテック社が運営し、CASAとIPTNがそれぞれの役割を分担する形で進められました。量産型機が1986年に飛行を始め、連邦航空局から承認を受けたことにより、商業運用が本格化しました。

CN-235はアメリカ沿岸警備隊にも選定され、中距離監視海洋哨戒機(MRSMPA)プログラムの一環として利用されています。2004年にはロッキード・マーティンとの契約が結ばれ、HC-144Aオーシャン・セントリーがこの形式として開発されました。さらに、様々な国での発注がなされ、中南米のメキシコ海軍やアフリカ、アジアの航空会社でもその運用が見られます。

派生型

CN-235シリーズは、様々な派生型が存在します。最初の量産型であるCN235-10はGE CT7-7Aエンジンを搭載し、その後に強化された構造や航空力学の改善が図られたCN235-200/220、ハネウェル社のアビオニクスを採用したCN235-300、さらには海洋哨戒機のCN235 MPAやガンシップ型のAC-235も開発されています。特にAC-235はヨルダン空軍によって運用され、様々な武器システムが搭載可能です。

主な仕様と性能

CN-235は、2名の乗員で最大45名の兵員を収容でき、ペイロードは5,950kgに達します。全長は21.4メートル、翼幅は25.8メートル、高さは8.18メートルです。最大離陸重量は15,100kg、動力はゼネラル・エレクトリックのCT7Cターボプロップエンジンを2基装備し、出力は1,395kW（1,750bhp）です。

性能面では、最大速度は509km/h、航続距離は最大燃料時で5,003kmに達します。また、実用上昇限度は9,145メートルで、上昇率は542m/minとなっています。

運用者

CN-235は約20ヶ国以上で運用されており、トルコやスペイン、メキシコ、韓国など多くの国の航空機隊に採用されています。トルコでは大規模な運用が行われており、海上監視や人道支援作戦にも活用されています。

このようにCASA/IPTN CN-235は、多様な任務をこなす能力を持つ機体として、世界中の多くの航空隊で重宝されています。

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