CAV

CAV（シーエーブイ）は、ディスクメディアの制御方式の一つで、Constant Angular Velocity（角速度一定）の略称です。この方式では、ディスクの回転速度が常に一定に保たれます。

CAVの特性

メリット: ランダムアクセス性能やデータの読み書き速度に優れています。これは、ディスクの回転速度が一定であるため、目的のデータ位置へのアクセスが迅速に行えるためです。ディスクの回転速度を細かく制御する必要がないため、構造が比較的単純で、初期のディスクメディアから使用されてきました。
デメリット: ディスク外周部になるほど記録密度が低くなるため、ディスク全体での記録容量は、線記録密度が一定のCLV（Constant Linear Velocity：線速度一定）方式と比較して小さくなる傾向があります。

CAV記録メディアの例

CAVは、高速なデータ読み書きが求められる用途に適しており、以下のようなメディアで採用されてきました。

フロッピーディスク（標準的なもの）
光磁気ディスク（128MBまで）
レーザーディスクの標準記録モード
VHD
ニンテンドー ゲームキューブ|ニンテンドー_ゲームキューブ専用8cm光ディスク
Wii専用12cm光ディスク
レコード（原始的な方式）

CAVの発展形

CAVの欠点である記録容量の少なさを改善するために、いくつかの発展的な技術が開発されました。

ZCAV (Zoned CAV)
ディスクを複数のゾーンに分割し、外周に行くほど段階的にセクタ数と読み書き回数を増やすことで、ディスク全体の記録密度をほぼ一定に保ち、記録容量を増加させる方式です。Zoned Bit Recording（ZBR）とも呼ばれます。ハードディスクや一部のフロッピーディスク、230MB以降の光磁気ディスク、HD-DVD-RWなどで採用されています。

PCAV (Partial CAV)
ディスクの内周部をCAV、外周部をCLVとして制御する方式です。DVD-RAMドライブの制御方式として、低速度メディアではZCLV、高速メディアではPCAVが採用されています。

CAVは、そのシンプルさと高速アクセス性から、様々な記録メディアで利用されてきました。そして、ZCAVやPCAVといった技術の登場によって、記録容量の少なさという弱点を克服し、更なる進化を遂げています。

関連項目

CLV

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