CF-18 ホーネット

CF-18 ホーネットの概要

CF-18ホーネット（CF-18 Hornet）は、カナダ空軍で使用されている戦闘機で、アメリカ合衆国のF/A-18を基にした機体です。カナダ国内では単座型が「CF-188A」、複座型が「CF-188B」と呼ばれることもあります。

導入経緯

1970年代後半、カナダの軍事状況において、旧型戦闘機であるCF-104 スターファイターの交代が急務とされました。この背景には、非効率な運用や装備の陳腐化がありました。カナダ政府は新たな戦闘機の導入を目的として、1977年に「New Fighter Aircraft」計画をスタートしました。その中で、F-14、F-15、トーネード、ミラージュF1（後のミラージュ2000）が候補に上がりましたが、最終的には多用途のF/A-18が選定されました。

1980年、性能や信頼性が考慮され、CF-18の発注が行われました。物資不足や初期不良の影響もありましたが、最終的には138機が発注され、1982年に初めて配備されました。この機体は、航空母艦での運用に必要な多くの機能を備えています。特に、降着装置やアレスティング・フック、折りたたみ式の主翼などがその代表です。主翼に描かれた偽のキャノピーは敵の視覚を惑わすための工夫とされています。

運用開始と配備

CF-18は1982年10月に初めて配備され、アルバータ州のコールド・レイク基地での運用が始まりました。その後、西ドイツの各基地へも配備され、コールド・レイクの部隊やサグネのバゴットビル基地に展開されましたが、初期には技術的な問題があったため配備は遅れました。これらの問題が解消されると、NATOやNORADへの任務も果たすこととなりました。

さらに、カナダ空軍では曲技飛行隊であるCF-18 Demonstration Teamも編成され、北米の航空祭に参加しています。毎年異なる新たな塗装で観客を魅了しています。

戦歴と国際任務

CF-18ホーネットは1991年の湾岸戦争においてカナダ軍の一部として参戦しました。26機がフリクション作戦に参加し、フリクション作戦において大きな役割を果たしました。当時、CF-18は西ドイツからカタールのドーハ基地に移動し、5,700時間以上の飛行時間を達成しました。特に多くの時間は空中戦闘哨戒任務に費やされ、対地攻撃任務にも従事しました。

その後、旧ユーゴスラビアでの紛争にも派遣され、ボスニア・ヘルツェゴビナやコソボでの任務に参加しました。コソボ紛争では、空中戦闘と対地攻撃の両面で活躍し、多くのミッションを遂行しました。CF-18の柔軟性がここでも証明され、NATOにおける出撃回数の約10%を占める結果となりました。

後継機の計画

近年では、CF-18の後継機としてF-35の調達が予定されていましたが、政治的な要因により計画は見直されました。最終的には、88機のF-35Aを導入する方針が2022年に発表され、CF-18の長い歴史の幕が下ろされることになります。

特徴と諸元

CF-18ホーネットは最大速度マッハ1.8、最大離陸重量23,400kg、アビオニクスにはレイセオンのAN/APG-73レーダーなどが搭載されています。多様な兵器を運用できる能力を持ち、空対空ミサイルや爆弾も積載可能です。特に、精密誘導爆弾を使った攻撃が行える点がその特長です。

CF-18はその高い性能と柔軟性から、カナダ空軍の戦力の中で重要な役割を果たしてきました。

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