CHUBBY GROOVE

『CHUBBY GROOVE』（チャビィ・グルーヴ）は、日本のボーカリスト稲葉浩志と、アメリカのギタリスト、スティーヴィー・サラスが「INABA / SALAS」名義で2017年1月18日に発表した初のオリジナル・フルアルバムです。

長年互いの作品で共演してきた二人が、本作で初めて共同制作を行いました。初回限定盤には、「SAYONARA RIVER」「OVERDRIVE」「AISHI-AISARE」のミュージックビデオを収録したDVDが付属しています。

制作の背景

稲葉とサラスは25年来の親交があり、互いのプロジェクトに度々参加していましたが、スケジュールが合わず共同制作は実現していませんでした。2016年、稲葉からサラスへ連絡があり、コラボレーションが実現しました。

制作

全楽曲のクレジットは「All Songs Written by Stevie Salas & Koshi Inaba」となっています。作曲はサラス、作詞は稲葉が担当。サラスがアコースティックギターでアイデアを伝え、稲葉が歌うことを想定してメロディを制作しました。稲葉はサラスとの作業に入るまで具体的なアイデアを持っておらず、試行錯誤しながらの制作だったと振り返っています。初期段階のアコースティックギターの音は、最終段階まで楽曲に残され、曲の雰囲気を決定づけました。

サラスは制作について、「自分らしくもなく稲葉浩志っぽくもないサウンドを楽しみながらやりたい」と考えていました。稲葉は当初、ハードでファンキーなロックを予想していましたが、「SAYONARA RIVER」の完成時に良い意味で期待を裏切られたと語っています。

作詞において、サラスは日本語の歌詞であっても、聴覚的にクールでない箇所は変更を要望しました。稲葉は、響きが重要であることを理解し、サラスの遠慮のない指摘に感謝しました。サラスは、過去のプロデュース経験から「意図」と「リズム」を重視し、稲葉に歌詞の修正を依頼しました。

レコーディングは、東京、ハワイ、ワシントンD.C.、ロサンゼルスなど世界各地で行われました。稲葉の「新しい環境で新鮮なものが欲しい」という要望から、サラスが各楽曲に最適なミュージシャンを選定し、その結果、世界中を巡るレコーディングとなりました。

収録曲について

1. SAYONARA RIVER
アルバム制作で最初に完成した曲であり、稲葉にとって最も印象的な曲です。
2. OVERDRIVE
ポルシェジャパン新型パナメーラとのコラボレーション映像に使用されました。
3. WABISABI
スキャット部分はサラスが担当しています。
4. AISHI-AISARE
NTTドコモdヒッツCMソング。ミュージックビデオにはMade in AsiaのMaryneとShihoが出演し、東市篤憲が監督を務めました。
5. シラセ
バラード曲。制作初期から存在しましたが、完成は最後となりました。スティーブ・フェロンによるドラムの再録音を経て、稲葉は歌入れをやり直しました。
6. ERROR MESSAGE
7. NISHI-HIGASHI
8. 苦悩の果てのそれも答えのひとつ
「AISHI-AISARE」同様、サラスが以前から制作していた曲です。
9. MARIE
10. BLINK
サラスは「壮大な景色の中を旅している感じ」と述べています。歌詞は稲葉が精神的に追い詰められている時に書かれました。
11. MY HEART YOUR HEART
12. TROPHY
「WOWOWテニス2017シーズン」イメージソング。ミュージックビデオから、仮タイトルが「金字塔」だったことが分かります。レコーディングは東京、ロサンゼルス、カナダ、韓国などで行われました。

参加ミュージシャン

稲葉浩志とスティーヴィー・サラスに加え、多数の著名なミュージシャンが参加しています。ドラムには、マット・シェロッド、マーク・シュルマン、スティーブ・フェロンなどが参加。ベースは、アルマンド・サバルレッコ、ショーン・デイビス、スチュアート・ゼンダーなどが担当しています。キーボードには、アンプ・フィドラー、寺地秀行、ルー・ポマンティらが参加しています。豪華なミュージシャンたちが、本作を彩っています。

『CHUBBY GROOVE』は、稲葉浩志とスティーヴィー・サラスの才能が融合した、ジャンルを超えた音楽体験ができる作品です。

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