CNNデイウォッチ
1984年4月2日から1993年まで、テレビ朝日系列の深夜帯で放送されたニュース番組、『CNNデイウォッチ』は、日本のメディア史においてCNNの映像を本格的に活用した先駆けの一つです。アメリカで台頭していた24時間ニュース専門局、CNNの映像素材が、この番組の核となりました。日本ケーブルテレビジョン（JCTV）がCNNの衛星伝送を日本へ開始したことを受け、数多くの海外ニュースの中から、日本人の視点で特に重要と判断された項目を選び、日本語に翻訳した上でダイジェスト形式で生放送する、という独自のスタイルを確立しました。
番組名の『CNN Daywatch』は、実際にアメリカCNNで当時放送されていた同名のタイトルに由来します。米国では現地時間（米国東部標準時）の午前中に放送されていましたが、日本では深夜帯にアレンジして展開されました。この時間枠は後に米国でも名称が変更されていきました。
『CNNデイウォッチ』の最大の特徴の一つは、そのキャスター陣にありました。一般的なニュースキャスターとは異なり、番組の司会は様々な分野で本業を持つ人々が担当しました。彼らの多くは、この番組への出演を機に広く知られるようになり、中には後に政界へ進出するなど、多様なキャリアを築いた人物も少なくありませんでした。
番組の象徴とも言える音楽も、多くの視聴者の記憶に残っています。オープニングには、シンセサイザーのイントロが印象的なOMDの楽曲「エノラ・ゲイの悲劇(Enola Gay)」が長年にわたり使用されました。番組終了が近づく1992年からは、浅倉大介氏作曲の「LANDING TIMEMACHINE」に切り替わっています。エンディング曲も複数採用され、彩恵津子の「エヴァーラスティング･ドリーム」をはじめ、設楽りさ子、安全地帯、浜田麻里といったアーティストの楽曲が番組を締めくくりました。
テレビ朝日は、当時日本のテレビ局が主要な米国三大ネットワークと結ぶのが一般的だった素材使用協定を、あえてCNNと締結していました。『CNNデイウォッチ』は、このCNNとの連携から生まれた一連の「CNN関連番組群」の一つとして位置づけられます。これらの番組は、通常のニュース番組とは異なる形で、世界各地から入電する多様な情報を視聴者に提供することを目的としていました。
特に、1986年1月に発生したスペースシャトル・チャレンジャー号の爆発事故の報道は、『CNNデイウォッチ』の存在感を際立たせました。日本の地上波民放において、チャレンジャー号の打ち上げを生中継していたのはこの番組だけであり、結果として事故の一部始終をリアルタイムで伝えることとなりました。当時のキャスターであった武見敬三氏と久和ひとみ氏は、緊迫したスタジオから刻々と入る情報を伝え続けました。久和氏は後に著書で、事故発生時の率直な驚きや、当時のスタジオの混乱、そして番組終了後すぐに視聴者からの問い合わせが殺到した状況などを詳細に記しています。番組は事故発生の可能性を伝えて終了しましたが、視聴者からの強い要望を受け、テレビ朝日は番組終了後、通常は停波している時間帯にもかかわらず、急遽全国ネットの「ANN報道特別番組」を編成し、事故の続報を深夜から早朝にかけて伝え続けました。これは、生放送で海外の重大ニュースに迅速に対応できる体制が構築されていたことを示す出来事でした。
番組は、その放送期間中に何度か放送時間の変更や縮小を経験しました。1988年10月からは、深夜の大型情報番組『PRE★STAGE』に内包され、平日の放送時間が1時間から30分に短縮されます。さらに、1989年10月には、早朝に新番組『CNNモーニング』が開始されるのに伴い、平日の放送を終了し、土日のみの30分番組となりました。そして、1993年にその歴史に幕を下ろし、後番組として『ウィークエンドライブ 週刊地球TV』がスタートしました。
『CNNデイウォッチ』に出演したキャスターの中には、その後テレビ朝日や他の主要局で様々な時間帯のニュース番組を担当したり、早朝のCNN関連番組に出演したりする者が多く見られました。
この番組は、関東地区ではテレビ朝日が二か国語放送で放送したほか、静岡県民放送（現：静岡朝日テレビ）など、一部系列局でも期間や曜日を限定してネットされていました。制作体制についても変遷があり、当初はJCTVが主導権を握り、JCTV社内のスタジオを使用していましたが、後にテレビ朝日のスタジオへ集約されました。番組開始当初、関東地区の筆頭スポンサーであった三洋証券が、深夜番組としては珍しい証券会社の提供であったことも、当時注目を集めました。
『CNNデイウォッチ』は、日本のテレビにおける海外ニュース報道のあり方に一石を投じ、その後の国際ニュース番組に影響を与えた番組と言えるでしょう。特に、世界の出来事をタイムリーかつ生々しく伝えるCNNの映像を効果的に活用した点は、多くの視聴者にとって新鮮な体験でした。
番組名の『CNN Daywatch』は、実際にアメリカCNNで当時放送されていた同名のタイトルに由来します。米国では現地時間（米国東部標準時）の午前中に放送されていましたが、日本では深夜帯にアレンジして展開されました。この時間枠は後に米国でも名称が変更されていきました。
『CNNデイウォッチ』の最大の特徴の一つは、そのキャスター陣にありました。一般的なニュースキャスターとは異なり、番組の司会は様々な分野で本業を持つ人々が担当しました。彼らの多くは、この番組への出演を機に広く知られるようになり、中には後に政界へ進出するなど、多様なキャリアを築いた人物も少なくありませんでした。
番組の象徴とも言える音楽も、多くの視聴者の記憶に残っています。オープニングには、シンセサイザーのイントロが印象的なOMDの楽曲「エノラ・ゲイの悲劇(Enola Gay)」が長年にわたり使用されました。番組終了が近づく1992年からは、浅倉大介氏作曲の「LANDING TIMEMACHINE」に切り替わっています。エンディング曲も複数採用され、彩恵津子の「エヴァーラスティング･ドリーム」をはじめ、設楽りさ子、安全地帯、浜田麻里といったアーティストの楽曲が番組を締めくくりました。
テレビ朝日は、当時日本のテレビ局が主要な米国三大ネットワークと結ぶのが一般的だった素材使用協定を、あえてCNNと締結していました。『CNNデイウォッチ』は、このCNNとの連携から生まれた一連の「CNN関連番組群」の一つとして位置づけられます。これらの番組は、通常のニュース番組とは異なる形で、世界各地から入電する多様な情報を視聴者に提供することを目的としていました。
特に、1986年1月に発生したスペースシャトル・チャレンジャー号の爆発事故の報道は、『CNNデイウォッチ』の存在感を際立たせました。日本の地上波民放において、チャレンジャー号の打ち上げを生中継していたのはこの番組だけであり、結果として事故の一部始終をリアルタイムで伝えることとなりました。当時のキャスターであった武見敬三氏と久和ひとみ氏は、緊迫したスタジオから刻々と入る情報を伝え続けました。久和氏は後に著書で、事故発生時の率直な驚きや、当時のスタジオの混乱、そして番組終了後すぐに視聴者からの問い合わせが殺到した状況などを詳細に記しています。番組は事故発生の可能性を伝えて終了しましたが、視聴者からの強い要望を受け、テレビ朝日は番組終了後、通常は停波している時間帯にもかかわらず、急遽全国ネットの「ANN報道特別番組」を編成し、事故の続報を深夜から早朝にかけて伝え続けました。これは、生放送で海外の重大ニュースに迅速に対応できる体制が構築されていたことを示す出来事でした。
番組は、その放送期間中に何度か放送時間の変更や縮小を経験しました。1988年10月からは、深夜の大型情報番組『PRE★STAGE』に内包され、平日の放送時間が1時間から30分に短縮されます。さらに、1989年10月には、早朝に新番組『CNNモーニング』が開始されるのに伴い、平日の放送を終了し、土日のみの30分番組となりました。そして、1993年にその歴史に幕を下ろし、後番組として『ウィークエンドライブ 週刊地球TV』がスタートしました。
『CNNデイウォッチ』に出演したキャスターの中には、その後テレビ朝日や他の主要局で様々な時間帯のニュース番組を担当したり、早朝のCNN関連番組に出演したりする者が多く見られました。
この番組は、関東地区ではテレビ朝日が二か国語放送で放送したほか、静岡県民放送（現：静岡朝日テレビ）など、一部系列局でも期間や曜日を限定してネットされていました。制作体制についても変遷があり、当初はJCTVが主導権を握り、JCTV社内のスタジオを使用していましたが、後にテレビ朝日のスタジオへ集約されました。番組開始当初、関東地区の筆頭スポンサーであった三洋証券が、深夜番組としては珍しい証券会社の提供であったことも、当時注目を集めました。
『CNNデイウォッチ』は、日本のテレビにおける海外ニュース報道のあり方に一石を投じ、その後の国際ニュース番組に影響を与えた番組と言えるでしょう。特に、世界の出来事をタイムリーかつ生々しく伝えるCNNの映像を効果的に活用した点は、多くの視聴者にとって新鮮な体験でした。
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