COCOLORS

COCOLORS（コカラス）

『COCOLORS』は、2017年 12月2日に公開された、神風動画によって制作された独創的な中編アニメーション作品です。監督は横嶋俊久が務めました。

タイトルの「COCOLORS」は、日本語で感情や魂を意味する「心（COCOLO）」と、色彩を指す英語の「COLOR」を結びつけた造語として名付けられています。この作品のキャッチコピーは、「この灰色の空に“こころ”はあるのだろうか」という印象的な問いかけでした。

概要と制作背景

本作は、神風動画が独自に進めているプロジェクト「ガソリンマスクシリーズ」の一つとして企画、制作されました。その結果、国内外において高い評価を受け、数々のアニメーション関連賞を受賞する栄誉に輝いています。

映像制作においては、日本の伝統的な木版画の要素を積極的に取り入れている点が大きな特色です。一般的な3DCGアニメーションでありながら、木版画特有の力強い主線（黒い輪郭線）を再現するため、3DCGで生成されたモデルから敢えて版画の彫りや摺りのような工程を経て輪郭線を取り出す、といった独自の技法が用いられています。これにより、他に類を見ない独特なビジュアルが実現されました。

プロジェクトの進行過程は、徳島県で開催される複合エンターテイメントイベント「マチ★アソビ」の場で、定期的にファンに向けて報告されていました。2014年の段階では、世界に先駆けてティザーミュージックビデオが公開されるイベントが行われ、その際に本作が中編作品として完成することが言及されています。

公開までの歩みと独自の展開

2016年5月のマチ★アソビのイベントでは、次回には完成した本編を上映するとの予告がありました。しかし、同年10月の時点ではまだ作品が上映できる状態には至っていませんでした。ファンとの約束を果たすため、神風動画は音響監督の納谷僚介が率いるマウスプロモーション／スタジオマウスに協力を依頼。声優が映像に合わせて生で台詞を語り、音響効果や音楽もその場で作り出すという、実験的な「スペシャルコラボLIVE」形式での上映イベントを眉山山頂にて開催しました。これにより、未完成ながらも観客に作品世界を届けることができたのです。

このスペシャルコラボLIVEが好評を博したため、2017年2月には同じ形式で東京の新宿バルト9にて、2日間限定（計4回公演）で特別上演されました。この反響を受けて、その後追加カットの制作、声優による本収録、そして音楽の録音などが行われ、ついに劇場版として作品が完成しました。

完成した劇場版は、カナダ・モントリオールで開催された第21回ファンタジア国際映画祭に出品され、短編アニメーション部門において最も優れた作品に贈られる「今敏賞」を受賞しました。

日本国内での初上映は、2017年12月に下北沢のミニシアター、トリウッドにて行われました。この上映は異例ともいえるロングランを記録し、多くの観客が詰めかけました。

受賞と評価

『COCOLORS』は、その革新性とクオリティが高く評価されています。前述のファンタジア国際映画祭での「今敏賞」受賞に加え、2018年度の第21回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門では優秀賞を受賞しました。

また、スペシャルコラボLIVE形式での上映は、パフォーマンス「COCOLORS-VvsS-」として、エンターテイメント部門で審査委員会推薦作品にも選出されており、作品の上映形態自体も評価の対象となりました。

後に、神風動画から期間限定でBlu-rayディスクが発売され、多くのファンが入手する機会を得ました。

主な登場人物

本作を彩る主要な登場人物とその声優は以下の通りです。スペシャルコラボLIVEでは一部キャストが異なります。

アキ: 高田憂希（通常版） / 石井あめり（子供時代）
フユ: 秦佐和子（通常版） / 岩田龍門（子供時代）
シュウ: 岩中睦樹（通常版） / 徐斌（子供時代）
ギドク: てらそままさき（通常版） / 市来光弘（スペシャルコラボLIVE）
ヤキン: 亀井芳子（通常版） / 古賀瑠（子供時代） / 高井舞香（スペシャルコラボLIVE）
マトイ／ヤマテ: 加藤央睦（子供時代） / 桑原由気（スペシャルコラボLIVE）
チボ: 中澤やよい（通常版） / 池杉奏汰（子供時代） / 市来光弘（スペシャルコラボLIVE）

主なスタッフ

脚本・コンテ・演出・監督: 横嶋俊久
キャラクターデザイン: 鈴木理
世界観設計: 橋口コウジ
造形美術: 鎌田光司
美術監督: 末弘由一
CGアニメーション監督: 石黒英彦
撮影監督: 上遠野学
編集: 廣瀬清志 (エディッツ)
音楽監督: 阿部隆大
音響監督: 納谷僚介
製作: 神風動画

その他の情報

本作は、アニメーション作品『ポプテピピック』の上映前特別映像でコラボレーションを行ったことでも知られています。その際、アキ役の高田憂希がポプ子役を、フユ役の秦佐和子がピピ美役を担当しました。

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