COME ON LET'S GO

1976年（昭和51年）6月21日にリリースされた『COME ON, LET'S GO』は、近田春夫率いるバンド、ハルヲフォンの記念すべきファーストアルバムです。これは、彼らが本格的に音楽シーンに登場した証となる作品と言えるでしょう。

バンドは1972年（昭和47年）に結成され、1975年には企画盤シングル『FUNKYダッコNo.1』を発表していましたが、本作をもってその活動の主軸を確立しました。このアルバムに先立つ形でバンドの基礎が築かれていたことが分かります。

アルバムのタイトルにも冠されている「COME ON, LET'S GO」は、ロックンロールのレジェンド、リッチー・ヴァレンスが1958年（昭和33年）に発表したデビューシングルのカヴァーです。ヴァレンスのオリジナルは、同年2月発売のデビューアルバム『Ritchie Valens』にも収められています。近田春夫による編曲が施され、ハルヲフォンならではのサウンドで楽曲が生まれ変わっています。

本作には多彩な楽曲が収録されていますが、特に注目すべきは「シンデレラ」です。この曲は、元々近田春夫が1975年にプロデュースを手がけたクールスのデビューアルバム『黒のロックン・ロール クールスの世界』のために提供した楽曲であり、ハルヲフォン自身による演奏はセルフカヴァーにあたります。クールスによるオリジナルバージョンは現在もCDやデジタル音源で入手可能であり、聴き比べることができます。また、「シンデレラ」は「レインコート」とともに、アルバム発売の翌月である7月にシングルカットされました。このシングルが、ハルヲフォンの公式なデビューシングルとなりました。

本作発表時のハルヲフォンは、近田春夫（リーダー）、恒田義見、高木英一、小林克己という4人のメンバーで構成されており、この不動のラインナップでバンドは解散まで活動を続けました。各メンバーの演奏が、アルバムのサウンドを特徴づけています。

本作はその後も長く愛され、初めてCD化されたのは1989年（平成元年）のことです。それ以降、これまでに計2回の再発売が行われています。そのため、現在でも比較的容易にこの歴史的なアルバムを耳にすることができます。

このアルバムは、近田春夫の多様な音楽性を反映しつつ、ハルヲフォンというバンドのスタイルを確立した重要な作品であり、日本のロック・ポップス史においても特筆すべき一枚と言えるでしょう。

収録曲

1. COME ON, LET'S GO （2分05秒）
作詞・作曲：リッチー・ヴァレンス、編曲：近田春夫
2. パーティー・パーティー （3分11秒）
作詞・作曲・編曲：近田春夫
3. シンデレラ （3分20秒）
作詞・作曲・編曲：近田春夫
4. 秘密のハイウェイ （7分41秒）
作詞・作曲・編曲：近田春夫
5. 黄色い太陽 （2分29秒）
作詞・作曲・編曲：近田春夫
6. レインコート （2分18秒）
作詞・作曲・編曲：近田春夫
7. いえなかったんだ （2分46秒）
作詞・作曲・編曲：近田春夫
8. 見つめられ、抱きしめられた、その時… （5分28秒）
作詞・作曲・編曲：近田春夫
9. おどりなさい! （2分37秒）
作詞・作曲・編曲：近田春夫
10. 週末 （3分31秒）
作詞・作曲・編曲：近田春夫
11. COME ON, LET'S GO （1分09秒）
作詞・作曲：リッチー・ヴァレンス、編曲：近田春夫

※曲順、時間、クレジットはオリジナル盤に準拠します。

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