COMMIT (SQL)

SQLの`COMMIT`ステートメントは、関係データベース管理システム（RDBMS）におけるトランザクション処理の最終段階を担い、それまでの一連のデータ操作をデータベースに永続的に反映させる重要な命令です。トランザクションは、`BEGIN WORK`ステートメントで開始し、一連のSQLステートメント（データの挿入、更新、削除など）を実行した後、`COMMIT`ステートメントで終了するのが一般的な流れです。

`COMMIT`ステートメントが実行されると、トランザクション中に加えられたすべての変更はデータベースに適用され、他のユーザーからの参照が可能になります。この時点から、トランザクションを前の状態に戻す（ロールバックする）ことはできません。`COMMIT`は、トランザクション中に設定されたセーブポイントも解除するため、トランザクションの確定は、データの一貫性と整合性を保証する上で極めて重要な操作です。

トランザクションは、データベース操作を論理的にグループ化する単位であり、`COMMIT`はその完了を意味します。一方、`COMMIT`の対義語として`ROLLBACK`ステートメントがあり、これはトランザクション中に加えられた変更を破棄し、データベースをトランザクション開始前の状態に戻します。`ROLLBACK`は、エラーが発生した場合や、変更を適用したくない場合に用いられます。

トランザクション、`COMMIT`、`ROLLBACK`という一連の概念は、データベースのACID特性（Atomicity, Consistency, Isolation, Durability）を実現するために不可欠な要素です。特に、`COMMIT`はDurable（永続性）の側面を担い、トランザクションによる変更がシステム障害などによって失われないことを保証します。

関連概念として、`COMMIT`の動作に関連する以下のものがあります。

コミット (データ管理)：データベースにおけるデータ変更の確定処理全般を指します。
アトミックコミット：トランザクション内のすべての操作が成功するか、すべて失敗するかのいずれかの状態を保証するコミットのことです。
2相コミット：分散トランザクションにおいて、複数のデータベースシステムが関与する場合に、すべての参加システムがコミットするか、すべてがロールバックするかを調整するプロトコルです。
3相コミット：2相コミットの欠点を克服するために提案されたより複雑なコミットプロトコルです。

これらの関連概念とともに、`COMMIT`ステートメントは、データベースの安定性と信頼性を支える根幹技術であると言えるでしょう。

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