COP .357

COP .357：特徴的なペッパーボックスピストル

COP .357は、COP社が開発したダブルアクション式の小型拳銃です。この銃の最大の特徴は、4本の銃身を縦横2列に配置したペッパーボックススタイルである点です。これにより、通常の拳銃の約2倍の幅を持つ一方で、.25ACP弾を使用する自動拳銃よりも重量がある場合があります。

構造と作動

COP .357は、ステンレス鋼製の頑丈な構造を持ち、4つの薬室にそれぞれ弾薬が装填されます。装填方法は、トップブレーク方式の散弾銃と同様に、ラッチ操作で薬室を跳ね上げることで行います。各薬室には専用の撃針が備わっており、内蔵された撃鉄が引き金を引くことでラチェット作動・回転式の撃針を叩き、順番に各薬室の弾薬を発射します。

この機構は、複数の銃身を持つ旧式のペッパーボックスピストルとは異なり、銃身自体は回転しません。1850年代のシャープス社製リムファイアー・ペッパーボックスピストルと同様に、ラチェット式の撃針を使用している点が特徴です。

実用性と課題

COP .357は、小型ながら強力な.357マグナム弾を使用できるため、護身用や警察の補助装備として採用されました。しかし、その重さとトリガー・プルの重さから、予備の銃としては重すぎる、早撃ちには不向きといった課題も指摘されています。

歴史と登場作品

この銃はロバート・ヒルバーグによって設計され、1983年に特許を取得しました。当初はCOP社で製造されていましたが、後にアメリカン・デリンジャー社でも短期間製造されました。現在、COP社は解散しています。

COP .357は、そのユニークなデザインから、多くの映画やテレビ番組、アニメ、漫画に登場しています。

主な登場作品

映画:
ブレードランナー (1982) : リオン・コワルスキー役のレプリカントが使用
マトリックス・リローデッド : パーセフォニーが所持
テレビ番組:
The Return of the Man from U.N.C.L.E.: The Fifteen-Years-Later Affair (1983) : ロケット弾を発射する改造銃が登場
21ジャンプストリート : カーチェイスシーンで使用
アニメ:
キディグレイド : 主人公リュミエールの愛銃として登場
漫画:
シティーハンター : 野上麗香が所持

関連情報

H&K P11: 複数の銃身を持つ水中用拳銃
ランカスター拳銃: 中折れ式作動機構を持つペッパーボックス拳銃

外部リンク

COP 357 Derringer
COP .357 Derringer photos
Leon's Gun: Mother's Defender
Patent US 4400900 (rotating firing pin selector)

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