COVAX

COVAX: COVID-19ワクチンへの均等なアクセスを目指す国際的取り組み

COVAX（コバックス）は、「COVID-19 Vaccines Global Access」の頭文字を取ったもので、COVID-19ワクチンに対する公平なアクセスを推進するための国際的なイニシアチブです。この取り組みは、GAVI（ワクチンの世界的配布を支援するアライアンス）、世界保健機関（WHO）、および感染症流行対策イノベーション連合（CEPI）が中心となって進めています。COVAXは、COVID-19パンデミックへの対応策の一環として、2020年4月にWHO、EU、フランス政府によって設立されました。

このプロジェクトは特に中・低所得国が新型コロナウイルスに関連した医療資源を平等にアクセスできるようにすることを目的としています。2020年7月15日までに、COVAXには165カ国が参加し、その合計人口は約60%に達しました。予想として、COVAXは2021年3月末までに1億回分のワクチン投与を目指していましたが、実際には3,850万回分にとどまりました。

ワクチン候補

多くの国がCOVAXによってアクセスするワクチンは、主にWHOの認可を受けたものであり、2021年初頭までに11種のワクチンが緊急使用リストに挙げられました。初めて承認されたのはファイザー社とビオンテック社が共同開発したmRNAワクチンで、ブランド名は「Comirnaty」です。このワクチンは2020年12月31日にWHOの緊急使用リストに加えられました。続いて、2021年5月には中国のシノファーム社製ワクチンも承認され、規模の違いがあったものの、COVAXは多くのワクチンの選択肢を提供しました。

ワクチンの配布

COVAXは合計で92カ国の中・低所得国にワクチンを供給するための枠組みです。このプログラムは、ドナーからの資金提供によって支えられており、特にCOVAXのワクチン調達プラットフォームであるCOVAXファシリティに資金が提供されます。2021年の初めに、ファイザー - ビオンテックとオックスフォード−アストラゼネカのワクチンの配布予定が発表され、医療従事者や弱い立場の人々が最初に接種されることが見込まれました。

資金供給と参加者

COVAXは主に欧米の先進国からの支援を受けています。2021年の初めまでに、30の国がCOVAXファシリティへの誓約を行い、総額60億ドルが約束されました。しかし、全ての資金が提供されたわけではありません。日本は2020年9月にCOVAXに参加し、最初に拠出金を提供した国として知られています。他にも、フランス、スペイン、ドイツなどが資金を提供し、総じて欧州連合は大きな支援を行っています。

日本の取り組み

特に日本は、2020年9月にCOVAXへの参加を決定し、172億円を前払金として用意しました。2021年にはさらに8億ドルの拠出を表明し、COVAXにおける重要な貢献国となっています。

中国とインドの役割

中国は経済規模が最大の国として2020年にCOVAXに参加しました。その後、2021年には1,000万回分のワクチンを提供すると発表しました。また、インドは自身の製造能力を活かし、ワクチンの主要供給元として注目を集めました。インドの血清研究所は、オックスフォード－アストラゼネカの製品を多く生産し、COVAXのために7億回分のワクチン供給が見込まれていました。

COVAXイニシアチブは、急速に変化するCOVID-19パンデミックの中で、世界的な協力とサポートを通じて、すべての国の人々がワクチンにアクセスできるようにする取り組みです。これにより、新型コロナウイルス対策の公平性を図り、全世界の健康状態を改善することを狙っています。

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