CalDAV

CalDAV (カレンダーDAV)とは

CalDAVは、WebDAV（Web Distributed Authoring and Versioning）を拡張し、カレンダーサーバの機能を実現するための規格です。具体的には、RFC 4791として定義されており、複数のユーザー間での電子カレンダーの共有、同期、および可用性の確認を目的としています。

CalDAVの概要

CalDAVは、単にカレンダーの同期を行うだけでなく、タスク管理（ToDo）にも対応しています。これにより、ユーザーは予定とタスクを一元的に管理することが可能になります。

CalDAVの大きな特徴は、WebDAVを基盤としているため、専用のサーバデーモンを常に稼働させておく必要がない点です。また、特定のポートを開放する必要がないため、ファイアウォールなどの設定変更が少なくて済み、導入や運用が比較的容易です。

データのフォーマットには、iCalendar形式が採用されています。iCalendarは、予定やタスクを記述するための標準的なフォーマットであり、CalDAVとの組み合わせにより、異なるクライアント間での互換性が確保されます。

CalDAVのセキュリティ

CalDAVでやり取りされる情報は、個人のスケジュールや会議の予定など、プライバシーに関わる重要なデータです。これらの情報は、ユーザーの行動パターンや予定に関するものであり、漏洩すると悪用される可能性があります。

しかし、CalDAV自体には暗号化の機能が組み込まれていません。したがって、HTTPを使用してCalDAVサーバと通信を行うと、データが平文のままネットワーク上を流れることになり、盗聴や改ざんのリスクが高まります。

そのため、CalDAVを使用する際には、HTTPS（HTTP Secure）を用いて通信を暗号化することが強く推奨されます。HTTPSを使用することで、データが安全に送受信され、セキュリティが確保されます。

CalDAVに対応するソフトウェア

CalDAVに対応したサーバおよびクライアントソフトウェアは多数存在します。

サーバ:

iCal Server
Calendar and Contacts Server: macOS Server 5.7.1 で廃止されたカレンダー・連絡先サービスをApache Licenseの元で公開。
DAViCal
Chandler Server
Radicale
MEDACA
MDaemon Messaging Server

クライアント:

Chandler
DAVdroid (Android 4+)
Evolution
Sunbird / Lightning
Mulberry
iCal (macOS標準カレンダー)
iOSに搭載されているカレンダー

クラウド:

Googleカレンダー
MobileMe

関連技術

WebDAV: CalDAVの基盤となるプロトコル。

外部リンク

RFC 4791
* RFC 4791 （日本語訳）

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