CineAlta

CineAlta（シネアルタ）

CineAltaはソニーが開発した映画撮影用デジタルビデオカメラのブランド名で、映画用35mmフィルムカメラと同等の性能を持っています。このブランド名は、映画の「Cinema」とイタリア語の「Alta」（最高）を組み合わせて名付けられました。特に、超高精細な4Kデジタルシネマ映像（解像度4096×2160ピクセル）に対応した製品は「CineAlta 4K」として知られ、2007年から映画館での4K上映システムとして販売されています。

概要

CineAltaは、デジタルシネマのコンテンツ制作や上映に関する様々な製品に冠されたソニーのブランドです。このブランドは、ビデオカメラやカムコーダ、レコーダ、シネマサーバ、プロジェクタなど、多岐にわたります。CineAltaのカメラは、HDCAMテープ、XDCAM、プロフェッショナルディスク、またはSxSフラッシュメモリカードに記録し、異なるフレームレートでの撮影が可能です。特に、横1920×縦1080ピクセル（1080p）の解像度に対応し、24fpsを含む多様なフレームレートでの記録ができます。

歴史と映画での使用

CineAltaの歴史を振り返ると、2000年にジョージ・ルーカスが「『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃|スター・ウォーズ エピソード2_クローンの攻撃』が完全にデジタルで撮影された最初のメジャー映画となる」と発表したことがきっかけとなります。これにより、ソニーとパナビジョンはHD 1080pカメラを共同開発し、最初のCineAltaカメラ「HDW-F900」が誕生しました。

その後、続編の『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐|スター・ウォーズ エピソード3_シスの復讐』では、さらに進化した解像度や色再現性能を誇るソニー「HDC-F950」が使用されました。この作品はオリジナルの16:9からフィルムでは2.35:1のアスペクト比へと変更されました。キャノンのアナモルフィックアダプターの登場により、追加の画素を失うことなくこの比率での撮影が可能となり、映画『サルバドールの朝』がこの技術を使用した最初の作品です。

ソニーのCineAltaカメラは、以下のような有名な映画作品でも使用されています。

• - 『アバター』
• - 『バイオハザードIV アフターライフ』
• - 『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン|トランスフォーマー_ダークサイド・ムーン』
• - 『トロン: レガシー』
• - 『リアル・スティール』
• - 『エルミタージュ幻想』

また、これらのカメラは多くのテレビ作品にも採用されており、その高音質と高画質を活かした制作が行われています。

4Kの普及

2011年には、業界最高画質を誇るCineAltaF65カメラが発売され、新たに開発された8K CMOSイメージセンサーを搭載しました。このカメラはCMOS特有のローリングシャッター現象を抑えるための機能も備えています。CineAltaに関しては、4K映像の視聴環境も整いつつあり、ソニー製のデジタルシネマプロジェクターが広く受け入れられています。現在、世界中で約9000の映画館に設置されており、日本のTOHOシネマズやティ・ジョイなどのシネマコンプレックスと提携して4K映像の普及に寄与しています。

CineAltaカメラは、アーノルド＆リヒター社のカメラ用アクセサリーとの高い互換性があり、既存の撮影スタッフにも適応しやすいとして、映画やCMの撮影現場で広く使用されています。これにより、デジタルシネマの進化と並行して新しい撮影技術やスタイルが確立され続けています。

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