XDCAM

XDCAM（エックスディカム）

XDCAMは、ソニーが開発した放送業務用のディスクビデオシステムで、2003年10月に初のSDシステムが市場に登場しました。続いて2006年4月には、HDシステムが発表され、映像制作の分野で大きな革新をもたらしました。このシステムの記録メディアは「Professional Disc」として知られており、カートリッジ型の光ディスクです。1層あたり23.3GB、2層では50GBの保存が可能で、Blu-ray Discと同じ波長の青紫色レーザーを用いた直径12cmのディスクです。

記録フォーマット

記録に使用されるフォーマットには、MPEG-2フォーマットの一部であるMPEG IMXおよびMPEG HD、さらにMPEG HD422、加えてDVCAMフォーマットが含まれています。一方で、BDMV（Blu-ray Discで使用される民生用ビデオフォーマット）との互換性はありません。

XDCAMのユニークな点は、従来の磁気テープを使用したVTRシステムと比べ、ノンリニア編集が非常に簡単に行えることです。これにより、映像編集のプロセスが大幅に効率化されました。また、カムコーダは振動や衝撃に対しても実用的な耐性を有しており、現場での使用に適しています。

沿革

XDCAMの歴史は、以下の重要なマイルストーンから成り立っています。

• - 2003年10月: XDCAM（SD）を初めて発売。
• - 2006年4月: HDシステムであるXDCAM HDが登場し、1440×1080の解像度が提供されました。
• - 2007年4月15日: NAB2007で、フラッシュメモリを用いた「XDCAM EX」の試作機が披露され、2層Professional Discにも対応した新たなXDCAMの発売が発表されました。
• - 2007年9月: 正式にXDCAM EXが市場に投入されました。
• - 2008年4月: フルHD対応のXDCAM HD422が登場し、新たなビデオコーデックを提供しました。

ビデオコーデック

XDCAMシステムには、HD及びSDそれぞれのフォーマットがあります。

• - HD

- MPEG HD422: 1920x1080, サンプリングフォーマット 8bit 4:2:2, ビットレート 50Mbps
- MPEG HD: 1440x1080, サンプリングフォーマット 8bit 4:2:0, ビットレート 35Mbps

• - SD

- MPEG IMX: 720x512, サンプリングフォーマット 8bit 4:2:2, ビットレート 50Mbps
- DVCAM: 720x512, サンプリングフォーマット 10bit 4:1:1 or 4:2:0, ビットレート 25Mbps

XDCAM EXは従来のProfessional Discに代わり、半導体メモリーカードを利用した新しい記録方式を導入しています。このメモリーカードはS×Sと呼ばれ、ExpressCard規格に基づき最大800Mbpsの転送速度を実現しています。さらに、メモリースティックやSDカードの使用も可能です。

この革新的なビデオシステムは映像制作において広く使用されており、特にプロフェッショナルな環境でその能力を発揮しています。

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