Circle (おニャン子クラブのアルバム)

おニャン子クラブ最後のオリジナルアルバム『Circle』：2枚組による楽曲集の全貌

1987年8月5日、日本のアイドルグループおニャン子クラブの5枚目のスタジオアルバム『Circle』がリリースされました。同グループにとって最後のオリジナルアルバムとなる本作は、全曲が新曲で構成された2枚組という、アイドルグループの歴史においても特筆すべき作品となりました。

Disc1：ソロ、ユニットメンバーによるオムニバス形式

1枚目のディスクは、おニャン子クラブからソロデビューまたはユニットを組んだメンバーによる楽曲集という、ユニークな構成となっています。ソロデビューの順番を意識した収録順序も特徴的です。注目すべきは、おニャン子クラブの楽曲の作詞を多く手がけてきた秋元康氏が作詞に関与していない点です。メンバー自身の才能を前面に出す構成となっていると言えるでしょう。

例えば、ソロデビュー第1号である河合その子さんは、自ら作曲した楽曲を提供。他のメンバーも、それぞれ異なる作詞家、作曲家とタッグを組み、個性豊かな楽曲を披露しています。それぞれの楽曲は、メンバーそれぞれの魅力を引き立たせる仕上がりになっており、ソロアーティストとしての可能性を感じさせる内容となっています。楽曲提供者には、芹沢類、谷穂ちろる、青木美恵子、麻生圭子、沢ちひろ、和泉ゆかり、三浦徳子、及川眠子といった、当時活躍していた作詞家たちが名を連ねています。作曲陣も同様に、河合その子、山梨鐐平、国安わたる、難波正司、井上ヨシマサ、見岳章、八田雅弘、岸正之、黒住憲五、小森田実といった実力派が名を連ねています。編曲には、後藤次利、瀬尾一三、山川恵津子、清水信之、国吉良一、西平彰といった、日本のポップミュージックシーンを支えた面々が参加しています。

Disc2：おニャン子クラブ在籍メンバーによる新曲集

2枚目のディスクは、アルバム発売時点でおニャン子クラブに在籍していたメンバーによる新曲集です。Disc1とは対照的に、全曲の作詞を秋元康氏が担当。おニャン子クラブらしいアイドルソングが多数収録されています。このディスクに収録されている10曲は、同年8月から9月にかけて行われた「おニャン子クラブ全国横断ファイナルコンサート」で披露された楽曲も含まれています。これは、おニャン子クラブの活動の集大成として、ファンにとって特別な意味を持つものとなっています。

楽曲の作曲、編曲陣も豪華で、後藤次利、佐藤準、見岳章、鷺巣詩郎、山川恵津子、新川博、松尾清憲、高橋研、清水信之、小森田実といった、日本の音楽シーンを代表する実力者たちが参加しています。

発売元と予約特典

『Circle』は、おニャン子クラブのメンバーが所属する4つのレコード会社（キャニオン・レコード、フォーライフ・レコード、EPIC・ソニー、CBS・ソニー）が共同で発売元となり、『KIRIGIRISU』のレーベル表記がされています。販売元はキャニオンレコードでした。また、予約特典として、LPサイズの豪華写真集が配布され、ファンの間で大きな話題となりました。

アルバムジャケットとビートルズの『ホワイト・アルバム』

『Circle』のジャケットデザインは、ビートルズの『ホワイト・アルバム』を彷彿とさせるものとなっています。2枚組である点も共通しており、音楽史における一つのオマージュと言えるかもしれません。

まとめ

『Circle』は、おニャン子クラブの楽曲制作における多様な試み、そしてグループとしての集大成が凝縮された作品と言えるでしょう。ソロメンバーの楽曲とグループ楽曲の両方を収録することで、メンバーそれぞれの魅力とグループ全体の結束力を同時に示すことに成功しています。多様な楽曲群と豪華なスタッフ陣、そして予約特典と、様々な面で充実した内容となっている本作は、おニャン子クラブの歴史、ひいては日本のアイドル史においても重要な位置を占める作品と言えるでしょう。

もう一度検索