Comet Lakeマイクロプロセッサ

Comet Lake（コメットレイク）とは

Comet Lake（コメットレイク）は、インテルが開発したマイクロプロセッサであり、2019年8月21日に正式発表されました。第10世代Intel Coreプロセッサとして製品化され、デスクトップPC、サーバー、モバイルデバイス、組み込みシステムなど、幅広い分野で採用されています。

概要

当初、10nmプロセスでの製造が予定されていたものの、製造の遅延により、既存の14nmプロセスを改良したものが採用されました。前世代のCoffee Lake（コーヒーレイク）の後継として位置づけられ、コア数の増加、動作周波数の向上、ピン数やソケットの大型化による性能強化が図られました。ただし、マイクロアーキテクチャ自体はSkylake（スカイレイク）をベースとしており、製造プロセスも14nmプロセスから変更はありません。

特徴

Comet Lakeには、以下の特徴があります。

14nm++プロセス: 14nmプロセスを最適化し、性能向上を図っています。
ソケットLGA1200: 新しいソケットを採用し、従来のLGA115xソケットとの互換性はありません。
DDR4-2933メモリー: 高速なDDR4-2933メモリーに対応しています。
Intel UHD Graphics 630: 統合グラフィックス機能を搭載しています。
Intel 400, 500シリーズチップセット対応: 最新のチップセットに対応し、拡張性や機能性を高めています。
ハイパースレッディング: Core i、Xeon、Pentiumシリーズは全てハイパースレッディングに対応していますが、Celeronシリーズは非対応です。
Intel Turbo Boost Max Technology 3.0: Core i7, i9の一部モデルに搭載。その他のモデルは2.0に対応。
USB 3.2 Gen2: 高速なデータ転送が可能です。
プロセスの最適化: Coffee Lakeからプロセスルールが最適化され、性能と電力効率が向上しています。

脆弱性対応

Intelは、Variant 3aやVariant 4aといったセキュリティ脆弱性に対し、マイクロコードとOSレベルでの緩和策を講じていました。しかし、これらの対策は性能低下を引き起こす可能性があったため、Comet Lakeではハードウェアレベルでの対策が施されました。さらに、未対策の脆弱性についてもハードウェアレベルでの対策が行われています。

製品一覧

Comet Lakeは、様々な市場に向けて展開されています。

デスクトップ向け

第9世代Coreプロセッサではハイパースレッディング非対応だったi7,i5,i3も全てハイパースレッディング・テクノロジーに対応しました。
i9は8コアから10コアに増え、マルチスレッド性能が大幅に向上しました。
ダイやヒートスプレッダのサイズを調整することで、シングルスレッド性能も向上しています。
ソケットはLGA1200に変更され、第8世代、第9世代との互換性はありません。
CPUクーラーはLGA115x系のものが使用できる場合もありますが、一部使用できないものもあります。
i9 10900K, 10900KF, 10850KはIntel Thermal Velocity Boost Technologyに対応しています。
PentiumとCeleronはターボブーストテクノロジーに対応しておらず、Celeronはハイパースレッディングにも非対応です。
第11世代のインテルデスクトップ向けCPUであるRocket Lakeマイクロプロセッサとは異なり、Core i3やPentiumはComet Lake-Sの改良版が第10世代マイクロプロセッサとしてリリースされました。
対応ソケット: LGA1200

サーバー向け

Xeonシリーズは、ワークステーション向けであり、ECCメモリに対応しています。
W480、Q470チップセットのみに対応しています。
対応ソケット: LGA1200

モバイル向け

Comet Lake-H：高性能モバイルノートPC向け
Comet Lake-U：省電力モバイルノートPC向け

組み込み向け

Comet Lake-S
対応ソケット: LGA1200

関連項目

Coffee Lakeマイクロアーキテクチャ
Rocket Lakeマイクロプロセッサ
Tiger Lakeマイクロアーキテクチャ

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