Cortana(コルタナ)とは
Cortanaは、かつて
マイクロソフトによって開発・提供されていたAIアシスタントです。Windows 10や
Windows Phone、
Xbox Oneなど、多様なプラットフォームで利用可能でした。ユーザーは音声での操作や質問を通じて、リマインダーの設定、情報検索、その他のタスクを実行できました。
Cortanaは、2015年4月に開催されたMicrosoft BUILD Developer Conferenceで初めてデモンストレーションが行われました。当初は
英語、
フランス語、
ドイツ語、
イタリア語、
中国語、日本語など、多
言語に対応していましたが、利用できる機能は地域やプラットフォームによって異なっていました。
競合技術としては、
Appleの
Siriや
Googleの
Googleアシスタントなどが挙げられます。Cortanaという名称は、
マイクロソフトのゲーム「HALO」シリーズに登場する女性型AIキャラクターに由来します。
しかし、2023年にCortanaはすべてのデバイスで廃止され、後継として
Microsoft Copilotに置き換えられました。
開発の歴史
Cortanaの開発は、2009年にMicrosoft Speech製品チームのゼネラルマネージャー、ジグ・セラフィンと主任研究員レイリー・ヘックによって始まりました。彼らはデジタルパーソナルアシスタントの構想を立て、専門知識を持つチームを立ち上げ、初期プロトタイプの開発を進めました。
開発チームは、実際のパーソナルアシスタント(秘書)にインタビューを行い、そのフィードバックを基に、Cortanaのノート機能など、ユニークな機能が実装されました。当初、Cortanaはコードネームでしたが、
Windows PhoneのUserVoiceサイトでの要望により、正式名称として採用されました。
主な機能
Cortanaは、以下の様な機能を提供していました。
リマインダー設定: 音声によるリマインダー設定が可能でした。
音声認識: キーボード入力なしに、生の音声を認識し、指示を実行できました。
情報検索: Bing検索エンジンからの情報に基づき、天気、交通状況、スポーツの結果、経歴などの質問に回答できました。ただし、検索にはBing検索エンジンが使用され、リンクはMicrosoft Edgeで開かれました。
スマート検索: Windows 8.1のスマート検索機能を統合し、Cortanaがその役割を担いました。以前のBing検索アプリはCortanaに置き換えられました。
音楽認識: 音楽認識サービスも搭載していました。
ユーティリティ: サイコロを振ったり、
コイントスをシミュレートする機能もありました。
Concert Watch: Bing検索からユーザーが興味を持つバンドやミュージシャンを調査する機能がありました。
プライバシーに関する考慮
Cortanaはユーザーの情報をインデックス化して保持していました。この機能は無効化できましたが、無効化してもマイクロソフトのサーバーにデータが保持されるため、ユーザーが明示的に削除する必要がありました。Windows 10では、Cortanaを無効化しても、スタートメニューからの検索でCortanaの情報を含むファイルがBingのウェブサイトに送信されるという批判がありました。
地域と言語への対応
Cortanaは地域に特化しており、発音はユーザーが居住する国の言語、文化、会話パターンに合わせて調整されていました。例えば、イギリス版のCortanaはイギリス英語のアクセントで話し、中国語版(小娜)では官話で話しました。また、地域ごとのスポーツチーム、ビジネス、テレビ番組、証券取引所などの情報も提供していました。
技術
Cortanaの自然[[言語処理]]能力は、Tellme Networks(マイクロソフトが買収)から提供され、Satoriというセマンティック検索データベースと連携していました。Cortanaの処理能力は、Microsoft Azureのクラウドコンピューティング資源によって支えられていました。
脚注
Cortana とは - Microsoft サポート
Cortana のヘルプとラーニング - Microsoft
Cortana デベロッパー センター
*
Cortana - Microsoft Store