Craft Egg

株式会社Craft Egg（クラフトエッグ）

株式会社Craft Eggは、かつて存在した日本の企業で、スマートフォンアプリの企画、開発、運営を主な事業としていました。サイバーエージェントの子会社として設立され、数々の人気ゲームを世に送り出しました。

概要

2014年 5月1日、コンサルティング会社に勤務していた森川修一が、サイバーエージェントのゲーム事業部に営業を行ったことをきっかけに設立されました。森川の熱意とサイバーエージェント役員との意気投合が、設立の背景にあります。事業内容は、スマートフォンゲームの企画・開発・運営に加え、自社作品のキャラクターデザイン、設定・シナリオ制作なども手掛けていました。

「人生を豊かにするコンテンツをつくる」という社訓を掲げ、会社が大事にする価値観として「YOLK（黄身）」を重視していました。YOLKはCraft Eggの核となる考え方で、「ユーザーファースト」「チームワーク」「チャレンジ」「プロ意識」の4つの価値観を意味します。社名の由来は、「ものづくり」のクラフトと、新しい発見の象徴であるコロンブスの卵から来ています。

設立当初、森川は2Dや3Dを用いた青春ゲームの制作を構想していましたが、当時の規模では開発が困難でした。そこで、早期のリリースを目指し、森川と取締役の村上徹がそれぞれプロデューサーを務め、『モンスターパズルアドベンチャー』と『東京マッドカーニバル』をリリース。さらに、取締役の近藤裕一郎もプロデューサーとして『なないろランガールズ』をリリースしました。これらの初期タイトルは短期間でサービス終了となりましたが、その経験が後の大ヒット作『バンドリ！ガールズバンドパーティ！』の開発につながりました。

2018年6月1日には、アプリ開発とメディアミックス展開を目的とした子会社「株式会社 Colorful Palette（カラフルパレット）」を設立しました。また、2020年秋には、音声収録スタジオ「Studio Egg（スタジオエッグ）」を設立し、音声収録の内製化を進めました。

2024年1月をもってスマートフォン関連事業から撤退し、同年4月1日付でサイバーエージェントに吸収合併され、解散しました。これに伴い、Colorful Paletteはサイバーエージェントの直接の子会社となり、残事業であるフィギュアブランド「iDELiTE FiGURE」はColorful Paletteに移管されました。

社長だった森川は、解散前に別途株式会社フロムトーキョーを設立し、『バンドリ！ガールズバンドパーティ！』の制作協力をブシロードに対して行っています。

開発体制

Craft Eggは、企画・開発体制において、プロデューサーやディレクターの個人的な能力に頼るのではなく、「みんなでつくる」ことを重視しました。チームワークを重視し、セクションの垣根を越えて社員全員が意見を出し合う協力体制を築いています。

すべてのスタッフが各キャラクターの設定やストーリーを理解し、意見を交換できる環境を整備。また、事業の状態や制作コスト、キャラクター人気に左右されず、ユーザーファーストな運営体制を徹底しました。

自社開発作品のコンセプト、キャラクター設定、脚本、シナリオ制作、キャラクターデザイン、イラスト制作なども内製化しており、高いクオリティを維持しながら、頻繁なイベント更新を実現しています。各セクションで制作されたものは、リリース前にチャットツールで共有され、意見交換が行われるなど、活発なコミュニケーションが図られています。

ユーザーからの問い合わせや要望には、定型文ではなく個別に対応することを基本としており、ユーザーとの丁寧なコミュニケーションを重視していました。

2020年秋以降は、自社音声収録スタジオ『Studio Egg』で、開発作品の音声収録も内製化していました。

評価

『バンドリ！ガールズバンドパーティ！』は、2017年3月の配信開始以降、App Storeのセールスランキングで上位を維持し、2017年内に約91億円の売上高を記録しました。2周年記念の2019年3月には、セールスランキングで初の1位を獲得し、サイバーエージェントグループのゲーム事業に大きく貢献しました。また、『Google Play 2017年ベストゲーム』では、ユーザー投票部門とアトラクティブ部門で大賞を受賞しました。

開発ゲーム

不定期配信

移管タイトル

なし

終了済タイトル

モンスターパズルアドベンチャー
東京マッドカーニバル
なないろランガールズ

参加作品

テレビアニメ
劇場アニメ
ミュージックビデオ
漫画・イラスト

関連人物

森川修一（設立時の社長）
村上徹（取締役）
近藤裕一郎（取締役）

脚注

外部リンク

Craft Egg 公式 - ウェイバックマシン
Craft Egg公式 (@CraftEgg_PR) - X（旧Twitter）

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