Cream Of J-POP 〜ウタイツグウタ〜

『Cream Of J-POP 〜ウタイツグウタ〜』の魅力

2007年7月4日にリリースされた『Cream Of J-POP 〜ウタイツグウタ〜』は、小室哲哉がDJ TK名義で制作したリミックスアルバムです。本作は、収録された楽曲の新たな解釈とアップデートを通じて、J-POPの名曲を現代のダンスミュージックへと昇華させています。

本作の背景と制作過程

当初のサブタイトルは「～ドコデダレトウタイマシタカ？～」であり、2007年5月23日のリリースが予定されていましたが、版権に関する事情から、最終的に7月4日に変更されました。アルバムの収録曲にはkcoがボーカルを担当した「Happiness×3 Loneliness×3」が含まれていますが、他にも「Self Control」や「Love Train」、「SEVEN DAYS WAR」、「BE TOGETHER」といった名曲もリミックスの候補に挙がっていました。しかし、収録容量の制約により、これらの楽曲は採用されず、「Self Control」は一部の購入者に限り期間限定で配信されました。

小室は2005年からクラブDJとして活動を開始し、無名性を重視したリミックス作品を制作することに注力していました。2006年からはmF247の関係者と連携し、月に1回のペースでリミックス音源を配信し続けました。特に、丸山茂雄から1980年代のJ-POPをリミックスする提案を受け、原曲のボーカル素材が小室の手元に集まり始めました。

音楽性とリミックスのアプローチ

本作のリミックスにおけるコンセプトは、小室自身の好むアグレッシブで刺激的なスタイルを全面に押し出したものです。この手法においては、ダレン・エマーソンやマウロ・ピコットのアプローチを参考にして、独特なリズム構造と音作りが展開されています。

収録楽曲の解説

JUMP (DJ TK REMIX 2007)

最初に忌野清志郎の関係者からボーカル素材を借りた際、ダンスミュージックとマッチするか不安でしたが、試行錯誤の結果、タイムストレッチを行わなくともバックトラックに見事に馴染み、その結果に驚かされました。

SOMEDAY (247 MAIN MIX)

このトラックは、「アンジェリーナ (247 FULL MIX)」と共に制作され、非常にポップでロックンロールな曲調が特徴です。ダンスミュージックにアプローチする際に佐野のボーカルトラックを使用し、無機質なシンセサウンドとドラムマシンを組み合わせたことで、リミックスは見事に完成しました。BPMを上げた仕上がりで、実際に音源を聴いた佐野は「このくらいのBPMのおもしろさも感じられるね」と感心していました。

まとめ

『Cream Of J-POP 〜ウタイツグウタ〜』は、90年代のJ-POPの名曲を現代的に解釈した作品として、リミックスアルバムの枠を超えた魅力を持っています。小室哲哉が持つ音楽的ビジョンとテクニックが融合した本作は、聴く人に新たなダンスの体験を提供しています。本アルバムは、過去の名曲が新しい息吹を吹き込まれた、まさに音楽の再創造ともいえる作品です。

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