CuSP

CuSP (CubeSat for Solar Particles)



CuSPは、太陽から放出される粒子および磁場を観測するために設計された超小型衛星です。この衛星は、低コストで作成可能な6Uサイズのキューブサットであり、ロケットから分離された後、太陽の周囲を公転しながら飛来する放射線を観測します。これらの放射線は、通信への干渉、人工衛星の電子機器の故障、さらには地球の送電線に過電流を引き起こすなど、地球に様々な影響を与えることが知られています。

CuSPの研究を率いるのは、テキサス州サンアントニオにあるサウスウエスト・リサーチ・インスティテュートのミヒル・デサイ氏です。CuSPは、スペース・ローンチ・システムの初回打ち上げであるアルテミス1号に搭載され、2022年に宇宙へと旅立ちました。

目的


宇宙天気の観測を効果的に行うためには、多数の観測機器を数百万キロメートルの間隔で配置する必要があります。しかし、こうした大規模なシステムは、経済的な観点から容易ではありません。そこで、サイズが小さく、標準化された設計を持つキューブサットは、限られた搭載機器しか持たないものの、比較的安価に打ち上げることができる利点があります。CuSPは、宇宙空間における科学観測ネットワークを構築するための試験的な役割も担っています。

搭載機器


CuSPには、以下の三つの観測装置が搭載されます。

1. Suprathermal Ion Spectrograph (SEIS): これは高エネルギーのイオンを観測する装置で、宇宙空間における粒子の特性を把握するために重要です。
2. Miniaturized Electron and Proton Telescope (MERiT): 小型化された電子および陽子望遠鏡として、周囲のスペクトルを検出し、様々な粒子の放射線を測定します。
3. Vector Helium Magnetometer (VHM): この装置は、太陽風や宇宙磁場に関するデータを収集することで、宇宙環境の理解を深めます。

推進系


CuSPにはコールドガススラスタシステムが搭載されています。この推進システムは、衛星の姿勢制御と軌道制御に利用され、精密な運用を可能にします。これにより、CuSPは観測ポイントを正確に調整し、データ収集を最適化します。

脚注


このプロジェクトは、宇宙探査の進展を促進するために、国際的な連携と研究の一環として重要な役割を持っています。

関連項目


CuSPは、アルテミス1号に搭載された10機のキューブサットの一つです。他のキューブサットには、以下のものがあります:

これらのミッションは、現代の宇宙探査における重要な基盤を構築し、科学的知見の拡大に貢献しています。

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