D≒SIRE

D≒SIRE（デザイア）は、1990年代にインディーズシーンで独自の存在感を放ったヴィジュアル系ロックバンドです。黒服系の衣装に女性的なメイクを施し、幻想的かつ内省的な歌詞を特徴としていました。

バンドの軌跡

1992年にヴォーカルの幸也（YUKIYA）とギターの聖詩（KIYOSHI）を中心に結成され、その後、KIEE（ベース）、MARU（ドラムス）が加入し活動を本格化させます。しかし、デビューから解散までの5年間でメンバーチェンジを頻繁に行ったため、活動期間に対して発表された音源は比較的少ないです。

活動当時は広告や宣伝をほとんど行わず、小規模なライブハウスを中心に活動していました。口コミだけでその存在が広まり、リリースしたアルバムは全てオリコンインディーズチャートで1位を獲得、チケットも完売するなど、その人気は絶大なものでした。

度重なるメンバーチェンジと活動休止により、バンド活動の継続が困難となり、1997年12月にヴォーカルの幸也が解散を発表。1998年12月24日に新宿LIQUID ROOMで公式解散ライブ、翌12月25日には新宿LOFTでシークレット解散ライブを行い、その活動に幕を閉じました。

音楽性と世界観

D≒SIREの音楽は、耽美的なメロディーと退廃的な雰囲気が特徴です。歌詞は幻想的で内省的な内容が多く、聴く者の心に深く響きます。CDジャケットやインナーの写真には、その世界観を反映した風景画が用いられることが多く、視覚的にもバンドの個性を際立たせていました。

メンバー

D≒SIREはメンバーチェンジが非常に多いバンドでした。以下に主なメンバーを記載します。

幸也-YUKIYA-（ユキヤ）：ヴォーカル
聖詩-KIYOSHI-（キヨシ）：ギター
秀朗-HIDEROW-（ヒデロウ）：ベース
橘舞已-MAI-（マイ）：ギター
魅威-MIE-（ミイ）：ドラムス
阿希人-AKITO-（アキト）：ギター
秀誉-HIDEYOSHI-（ヒデヨシ）：ドラムス

解散後

ヴォーカルの幸也（藤田幸也）は、インディーズレーベル「Kreis」の代表として、Blüe、Dir en grey、Izeなどのプロデュースを手掛けました。

D≒SIREは、短い活動期間でありながらも、その独特な音楽性と世界観で多くのファンを魅了し、日本のヴィジュアル系ロックシーンに大きな影響を与えたバンドとして、今もなお語り継がれています。

ディスコグラフィー

静夢 -Shizumu (1994)
楽園 -Humanical Garden (1995)
追憶 -Nostalgia... (1995)
終末の情景 -La Scéne Du Finale- (1995)
異窓からの風景 -想刻- (1997)
異窓からの風景 -断章- (1997)
異窓からの風景 -失われた終末の情景- (1998)

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