DCキャッシュワン

DCキャッシュワンの歴史と事業概要

DCキャッシュワンは、三菱UFJフィナンシャル・グループ（MUFG）系列の消費者金融会社として、2001年8月9日に設立されました。東京三菱銀行（現・三菱UFJ銀行）、アコム、三菱信託銀行（現・三菱UFJ信託銀行）、ディーシーカード（現・三菱UFJニコス）、ジャックスの5社が出資する形で誕生し、当初は「東京三菱キャッシュワン」という社名でした。

設立当初は各社の出資比率に差がありましたが、2004年に三菱東京フィナンシャル・グループ（MTFG、現在のMUFG）とアコムが資本・業務提携を締結したことで、状況は大きく変化します。アコムの出資比率が上昇し、2005年にはアコムの子会社となり、社名を「DCキャッシュワン」に変更しました。

その後、MUFGとアコムは資本・業務提携を強化し、MUFG内の機能再編の一環として、DCキャッシュワンの事業再編が行われます。2009年4月1日、三菱東京UFJ-VISAの信用保証事業などを三菱UFJニコスに承継した後、アコムがDCキャッシュワンの全株式を取得し完全子会社化。そして同年5月1日、アコムへの吸収合併によってDCキャッシュワンは解散しました。

合併後も、アコムはDCキャッシュワンのブランドをしばらく使用し続けました。しかし、アコム既存顧客はDCキャッシュワンとの契約ができないという制限がありました。2011年12月10日には新規契約を終了。2012年5月12日には、DCキャッシュワンの事業はじぶん銀行（現・auじぶん銀行）に譲渡され、「じぶんローン」として新たなスタートを切ることとなりました。アコムは「じぶんローン」の保証会社として事業に関与しています。

DCキャッシュワンの特徴的なサービス

DCキャッシュワンは、いくつかの特徴的なサービスを提供していました。まず挙げられるのは、ローンカードの受け取り方法です。従来の郵送に加え、「カードデリ」というサービスを提供しており、旅行代理店、プレイガイド、アコムなどの店頭窓口でローンカードを受け取ることができました。これは、顧客にとって利便性の高いサービスであったと言えます。

また、提携金融機関のATMやコンビニATMでの現金借り入れと返済にも対応していました。これは、顧客がいつでも必要な時に、スムーズに資金を借り入れ、返済できる環境を提供していたことを意味します。

さらに、DCキャッシュワンは、独自のSNSサイト「ちずる」を運営していました。これは、地図をベースにローカルな口コミ情報を蓄積し提供するという、当時としては画期的なサービスでした。このサービスを通じて、ブランド力向上を目指していたと考えられます。

企業イメージ戦略

DCキャッシュワンは、企業イメージの向上にも力を入れていました。CMには、加藤茶さん、加藤晴彦さん、森田あつ子さん、乙葉さん、米倉涼子さん、長谷川朝晴さん、篠田麻里子さん、秋元才加さんなど、著名なタレントを起用していました。これらのタレント起用は、幅広い層への認知度向上に寄与したと考えられます。また、オリジナルキャラクターである犬の「キャッシュワン」も使用されていました。

まとめ

DCキャッシュワンの歴史は、銀行系消費者金融会社の設立から、アコムへの吸収合併、そして「じぶんローン」への事業承継まで、数々の変遷を経てきました。その過程で、独自のサービスや積極的なマーケティング戦略を通じて、顧客利便性の向上とブランド力の向上を目指していました。DCキャッシュワンは、日本の消費者金融業界において重要な役割を果たしたと言えるでしょう。 現在ではそのブランド名は過去のものとなっていますが、その歴史は消費者金融業界の発展に貢献した足跡として残されています。

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