DIC (企業)

DIC株式会社の概要と沿革

DIC株式会社（ディーアイシー）は、東京都中央区日本橋に本社を構える化学メーカーであり、印刷インキや有機顔料、合成樹脂などを主要製品としています。日本の化学業界において圧倒的なシェアを誇るこの企業は、2008年に大日本インキ化学工業株式会社から現在の名称に変更しました。

企業の歴史と成長

DIC株式会社は1908年に川村インキ製造所として創業し、その後1937年には大日本インキ製造株式会社に改名しました。1950年には東京証券取引所に上場し、1961年には大阪および名古屋証券取引所にも上場を果たしました。1962年には商号を大日本インキ化学工業株式会社に変更し、長い歴史を歩んできました。創業100周年を迎えた2008年に新たなブランド名であるDIC株式会社に生まれ変わり、印刷インキ事業を分社化してDICグラフィックス株式会社を設立しました。

グローバルな展開

同社は早くから海外展開を進め、1986年には米国サンケミカル社のグラフィックアーツ材料部門を買収、1999年にはフランスのトタルフィナ社のインキ部門を取得し、現在では世界60カ国以上に約170社のグループ会社を有し、グローバルな事業展開を行っています。

製品とその利用

DIC株式会社は印刷インキや有機顔料を主力商品とし、これらを基にした多様な製品ラインアップを持っています。具体的には、液晶材料、工業用粘着テープ、機能性顔料、包装用接着剤などがあります。また、日本国内でのDICカラーガイドはデザインやファッション、インテリア業界で広く利用されており、その影響力は大きいです。

社会貢献への取り組み

この企業は社会貢献活動にも力を入れており、千葉県佐倉市にDIC川村記念美術館を設けています。この美術館では様々なアートが展示され、地域に密着した文化活動を行っています。さらに、2013年には同美術館に展示していたバーネット・ニューマンの「アンナの光」を売却し、得た資金を利用して企業の財務基盤を強化する施策を推進しました。

今後の展望

2016年には「Color & Comfort」というブランドスローガンを打ち出し、さらなるブランド価値の向上を目指しています。女優の吉岡里帆を起用したCMも展開し、現代の消費者に向けたアプローチを進めています。

DIC株式会社は印刷インキから高機能化学製品まで幅広く展開しており、持続可能な社会の実現にも貢献することが期待されています。今後のさらなる成長と企業の進化が期待される中、同社の動向には注目が集まっています。

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