DKSH

DKSH：アジアを舞台にグローバルに展開する歴史ある企業

DKSH（ディーケーエスエイチ）は、スイス・チューリッヒに本社を置く、世界37カ国以上で事業を展開するグローバル企業です。アジア地域を中心に、幅広い業界の法人を対象に包括的な事業サポートサービスを提供しています。外資系企業でありながら、そのルーツは19世紀の日本、横浜にまで遡るという、ユニークな歴史を持っています。

19世紀：横浜から始まったグローバルな歩み

DKSHの歴史は、1865年（慶応元年）、横浜で創業したシイベル・ブレンワルド商会に始まります。スイス政府派遣の通商使節団員であったカスパー・ブレンワルドと、ヘルマン・シイベルが共同で設立したこの商会は、日本の生糸取引の中心的存在となり、「生糸王国日本」の隆盛に貢献しました。さらに、横浜と銀座における日本初のガス灯設置にも携わるなど、日本の近代化に大きな役割を果たしました。

同時期、マニラとシンガポールでも、それぞれエドゥアール・アントン・ケラーとヴィルヘルム・ハインリッヒ・ディートヘルムが独立して貿易会社を設立します。これらの3社、シイベル・ブレンワルド商会、Ed. A. Keller＆Co.、Diethelm＆Co.Ltdは、日本からの生糸輸出や、スイスからの消費財輸入を軸に事業を拡大。19世紀末には、いずれもチューリッヒに拠点を置くようになります。

20世紀：事業拡大とグローバル企業への進化

20世紀に入ると、3社はそれぞれ日本、中国、フィリピン、香港、東南アジアなどで事業を展開。第二次世界大戦後の東南アジア諸国の独立を機に、各社は従来の地域にとらわれないグローバルな取引を開始します。

1964年にはシイベルヘグナー・ホールディング・リミテッドが設立され、グループ再編が進められます。その後、数々の企業買収や合併を経て、2002年には、シイベルヘグナー・ホールディング・リミテッドとDiethelm Keller Services Asia Ltd.が合併し、現在のDKSH Holding Ltd.が発足しました。事業の再編、重複の解消、そして新たな市場への進出により、DKSHはさらにグローバル企業としての規模を拡大していきます。2012年にはスイス証券取引所に上場し、株式公開会社となりました。

現在のDKSH

現在、DKSHはグローバルレベルで消費財、ヘルスケア、生産資材、テクノロジーの4事業を展開しています。日本においては、DKSHジャパン株式会社（生産資材事業）、DKSHマーケットエクスパンションサービスジャパン株式会社（消費財・テクノロジー事業）が事業を担っています。

DKSHジャパン：150年以上の歴史を誇る日本法人

DKSHジャパンは、外資系企業の中でも屈指の歴史を誇ります。分析装置、機械、時計、高級万年筆、医薬品原料、化学品原料、食品飲料原料など、幅広い製品を取り扱っています。2009年には、本社グループとの商号を統一し、現在の社名に変更。2021年には、グループの方針に従い、テクノロジー事業部門と消費財事業部門を新会社として分社化しました。

DKSHの未来

150年以上にわたる歴史と経験、そしてグローバルなネットワークを活かし、DKSHはこれからもアジアを中心に、世界各国のパートナー企業と共に成長を続けていくでしょう。その歩みは、今後も世界経済の変遷を反映し、新たな挑戦とイノベーションによって彩られていくことでしょう。

参考文献

(DKSHジャパン公式ウェブサイト等の情報をもとに作成)

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