DSステーション

DSステーションの概要

DSステーション（ディーエスステーション）は、任天堂がかつて日本国内のゲーム販売店に設置していたニンテンドーDS用の支援機器です。この装置は、ゲーム体験を提供する試遊台としての役割を果たし、プレイヤーは自由に体験版を楽しむことができました。また、ニンテンドーDSとの無線LANによるリンクが可能で、様々な機能を利用することができました。

機能について

インフォメーション

DSステーションの上部には、20インチのモニターが装備されており、ここではDS用ソフトのCMや任天堂からの最新情報が流れるようになっていました。訪れるユーザーは、ゲームの情報や新作の紹介を視覚的に楽しむことができました。

Touch! Try! DS

中央部にはニンテンドーDS Lite（クリスタルホワイト）が一台設置されており、50タイトル以上の体験版が用意されていました。DS Liteは体験プレイに適した高さに調整できるため、子供から大人まで誰でも快適にプレイすることができます。途中で中断した場合にはリセットボタンを押すことで、初めからプレイを再開することが可能でした。DS Liteの導入以前には、プラチナシルバーのニンテンドーDSが使われていましたが、一部の場所ではDSiが設置されていることもありました。

DSダウンロードサービス

この機能により、新作ゲームの体験版や既存ゲームの追加データを、無線LANを通じて利用者のニンテンドーDSにダウンロードすることができます。さらに、任天堂ゲームセミナー受講生の作品である未発売ゲームも配信されることがありました。ダウンロードした体験版は本体の電源を切るまでプレイ可能で、スリープモードによる一時中断もできます。また、「すれちがい通信」の機能も搭載されており、データ通信の中継基地としても活用されました。これらのサービスは期間限定であり、事前に公式サイトで確認が必要でした。

ニンテンドーWi-Fiステーション

DSステーションは、任天堂のWi-Fiコネクションのアクセスポイントとしても機能しました。これにより、ユーザーは店内からインターネットに簡単に接続し、オンラインサービスを利用できるようになっていました。これらの通信全般は、任天堂の保有する無線通信に関する特許技術を用いて行われていたと言われています。

設置店舗

DSステーションは全国の約1000台の店舗に設置されることを目標にしていました。主な設置場所として、トイザらスやイオングループ、イトーヨーカドー、ビックカメラ、ソフマップ、ヨドバシカメラ、ヤマダ電機などが挙げられます。また、ポケモンセンター全店舗でも設置されていました。

社会的影響

DSステーションは、ニンテンドーDSの普及に大いに貢献しました。多くのゲームファンがこの試遊台を通じて新しいソフトウェアを楽しみ、また新たなゲームを試すきっかけとなる場所でした。後にニンテンドー3DSの発売に伴い、2011年9月にはニンテンドー3DSステーションへと移行しましたが、その後も多くの人々に愛されたスポットであったことが評価されています。

2020年3月1日には、ニンテンドー3DSステーションもサービスを終了しましたが、DSステーションが提供した体験はゲーム業界において新たな試みとして記憶されています。

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