DS2000

DS2000衛星プラットフォーム

DS2000は、三菱電機が製造した静止衛星用の標準衛星プラットフォーム（標準衛星バス）です。この衛星プラットフォームは、宇宙開発事業団（NASDA）によって開発された技術試験衛星である「きく8号」とデータ中継技術衛星「こだま」を基にしています。DS2000は、主に商用の静止通信衛星や放送衛星の需要に応じて設計されていますが、気象観測衛星などの用途にも適している点が特徴です。

DS2000は、他の標準衛星プラットフォームと比較しても特に電源系機器が小型化されており、リチウムイオン二次電池が標準搭載されていることにより効率的な運用が可能です。このプラットフォームには、現行の5トン級を中心に、小型化した3.5トン級のDS2000Sや、さらに大型の6トン級以上のDS2000Lの開発が検討されています。

基本仕様

• - 発生電力: 最大12キロワット（kW）
• - 打ち上げ時質量: 最大5.8トン（t）
• - トランスポンダ: 最大60（ノミナル）
• - 衛星寿命: 約15年
• - 太陽電池: 高効率シリコンまたはマルチジャンクションGaAs太陽電池
• - 二次電池: ニッケル・水素蓄電池またはリチウムイオン二次電池
• - 電源バス: 100ボルト（V）で安定化されています
• - 姿勢安定方式: ゼロモーメンタム方式またはバイアスモーメンタム方式
• - リアクションホイール搭載数: 4台
• - 構造: CFRP製セントラルシリンダー方式となっています
• - 熱制御方式: ヒートパイプ
• - アポジキックエンジン: R-4D × 1
• - 南北制御用イオンエンジン（オプション）: XIES × 2 × 2系統

採用実績

DS2000は、その高度なテクノロジーにより、商用用途や研究利用において数多くの実績を残しています。特に、日本国内外での衛星通信において、その運用の信頼性と性能が評価され、さまざまなミッションに対応しています。

関連項目

• - NEXTAR: NEC製の標準[衛星バス]]。
• - 外部リンク:

- [衛星プラットフォームDS2000 (三菱電機)
- 商用衛星システム「DS2000」 (PDF, 79.1KB) - 三菱電機技報 2003年08月号
- Evolution of DS2000 Platform 2010/11/23 Mitsubishi Electric Corporation（英語版）
- 世界市場で認められた日本の衛星技術
- 三菱電機の宇宙事業、海外受注の切り札は「衛星バス」

このようにDS2000は、商業と科学の両分野で広く活用されている衛星プラットフォームであり、今後のさらなる発展が期待されています。

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