DUM SPIRO SPERO

DIR EN GREY|DIR_EN_GREY 『DUM SPIRO SPERO』

『DUM SPIRO SPERO』（ドゥム・スピーロウ・スペイロウ）は、日本のロックバンドDIR EN GREY|DIR_EN_GREYが2011年に発表したメジャー8作目のアルバムです。タイトルはラテン語で「息の続く限り、わたしは希望を持つ」という意味を持ちます。

概要

前作『UROBOROS』から約2年9ヶ月ぶりのオリジナルアルバムとなる本作は、「激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇」の制作過程から構想が始まりました。しかし、2011年3月11日に発生した東日本大震災の影響を受け、レコーディングは一時中断を余儀なくされました。後に雑誌「AMON」にて、震災後に制作された楽曲には、地震の影響が反映されていることが明かされています。

発売前には、海外で先行発売された輸入盤が日本国内でも流通し、YouTubeやニコニコ動画に楽曲が無断でアップロードされる事態が発生しました。また、アルバムのプロモーションとして、メンバーがゾンビと化した特別デザインのポスターが全国のCDショップで展開され、同デザインの街宣車が都内を走行するなど、異例のプロモーションも話題となりました。

全米ビルボード200では、初週に3900枚を売り上げ初登場135位を記録しましたが、前作『UROBOROS』と比較すると、順位・売上枚数ともに下回る結果となりました。

収録曲について

アルバムはDisc 1（共通）、Disc 2（完全生産限定盤のみ）、Disc 3（完全生産限定盤のみDVD）、Disc 4,5(完全生産限定盤のみアナログ盤)で構成されています。

Disc 1には、「狂骨の鳴り」から「流転の塔」までの全14曲が収録されています。シングルとしてリリースされた「DIFFERENT SENSE」、「LOTUS」、「激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇」は、アルバム用にミックスが変更されています。特に「激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇」は、7弦ギターで録り直しが行われました。

「AMON」は、宝島社からCD付きブックレットとして先行販売された楽曲で、アルバム制作の初期段階で制作されました。薫は雑誌「AMON」で、「AMONを制作したことによりアルバムの全体像が見えた」と語っています。

約10分にも及ぶ大作「DIABOLOS」は、当初5分程度の長さでしたが、薫が様々な要素を付け加えた結果、現在の長さに仕上がりました。Shinyaはドラムのレコーディングを1からやり直すことになった苦労を語っています。

Disc 2（完全生産限定盤のみ）には、「羅刹国」の再構築バージョンや、「AMON (Symphonic Ver.)」、「流転の塔 (Unplugged Ver.)」など、貴重な音源が収録されています。メンバーそれぞれがリミックスを手掛けた「暁」、「DECAYED CROW」、「滴る朦朧」、「「欲巣にDREAMBOX」あるいは成熟の理念と冷たい雨」、「THE BLOSSOMING BEELZEBUB」も収録されています。

Disc 3（完全生産限定盤のみ）はDVDで、レコーディングの様子やインタビュー映像、ライブ映像などが収録されています。

Disc 4,5（完全生産限定盤のみ）は小鐵徹によりマスタリングされたアナログ盤となっています。

特典

完全生産限定盤には、購入者限定ライブへの参加権や、特設サイトへのパスワード、購入者限定Tシャツの販売など、様々な特典が用意されています。予約店頭によって個別の特典もあります。

『DUM SPIRO SPERO』は、DIR EN GREY|DIR_EN_GREYの音楽性の幅広さと深さを堪能できる作品であり、彼らの進化を如実に示す1枚と言えるでしょう。

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