UROBOROS

DIR EN GREY|DIR_EN_GREY『UROBOROS』

『UROBOROS』（ウロボロス）は、日本のロックバンドDIR EN GREY|DIR_EN_GREYが2008年に発表したメジャー7作目のアルバムです。

概要

前作『THE MARROW OF A BONE』から約1年9ヶ月ぶりのオリジナルアルバムであり、中東音楽の要素を大胆に取り入れたフォーク・メタル色の強い作品となっています。アルバムのアートワークは、メンバーがキング・クリムゾンのアルバム『リザード』からインスピレーションを得て、デザイナーの依田耕治が制作しました。

国内では通常盤、初回生産限定盤、完全生産限定盤の3形態で発売され、海外でもアメリカやヨーロッパなど17ヶ国でリリースされました。アメリカでは、DIR EN GREY|DIR_EN_GREYにとって初のBillboard 200チャートインを記録し、海外での評価を高めるきっかけとなりました。

CD-EXTRA仕様として、「GLASS SKIN」のミュージックビデオが収録されています。初回生産限定盤と完全生産限定盤には、アルバム収録曲をクラシカルにアレンジした音源を収録したDisc 2が付属。完全生産限定盤は、CD2枚、DVD、LP2枚の計5枚組という豪華な仕様となっています。

日本国内での累計販売枚数は4万3千枚以上、アメリカでは6千枚以上を売り上げました。

アルバムのリリースに合わせて、iTunes Storeで「凱歌、沈黙が眠る頃」のミュージックビデオの配信が開始。その後、アルバム収録曲全曲の音源配信も行われました。

収録曲は発売前からライブで披露されていましたが、2008年12月29日に大阪城ホールで行われた「UROBOROS -breathing-」で初めて全曲が演奏されました。この公演がアルバムの世界観を表現した最初のライブとされ、翌2009年以降の国内外ツアー「FEAST OF V SENSES」「ALL VISIBLE THINGS」でも収録曲が中心に演奏されました。2010年1月には日本武道館で「UROBOROS -with the proof in the name of living…-」が開催され、アルバムの世界観を締めくくるライブとなりました。

2012年には、Tue Madsenによるリマスタリング盤『UROBOROS [Remastered & Expanded]』がリリースされています。元ドリーム・シアターのマイク・ポートノイは、本作を自身のお気に入りのアルバムに選出しています。

収録曲について

アルバムには、多様な楽曲が収録されています。

SA BIR: ライブSEとしても使用されている楽曲。
VINUSHKA: 9分を超える大作で、アルバムのリードトラック。映画の主題歌にも起用されました。
RED SOIL: 短いながらも展開の多い楽曲。
慟哭と去りぬ:
蜷局: クリーンボイスのみで歌い上げられた楽曲。
GLASS SKIN: 全英詞で収録されたシングル曲。
STUCK MAN:
冷血なりせば:
我、闇とて…: 聴き手やライブオーディエンスに向けた楽曲。
BUGABOO:
凱歌、沈黙が眠る頃:
DOZING GREEN: 全英詞で収録されたシングル曲。
INCONVENIENT IDEAL: バラード調の楽曲。

初回生産限定盤と完全生産限定盤には、Disc 2としてこれらの楽曲のアンプラグドバージョンや別バージョンが収録されています。

UROBOROS [Remastered & Expanded]

リマスタリング盤には、リマスタリングだけでなくリミックスも施されています。完全生産限定盤アナログにのみ収録されていたアカペラ部分やカップリング曲が追加収録され、シングル曲は日本語詞に差し替えられています。

UROBOROS OFFICIAL BOOK

アルバムの世界観をさらに深く掘り下げるオフィシャル写真集も発売されました。

SHANKARA: ニューヨークでのライブ写真やメンバーのインタビューを収録。
SHANKARA -breathing-: 大阪城ホール公演の密着取材や楽曲解説などを収録。
OUROBOROS: 日本武道館公演の写真集であり、iPhoneアプリとしてもリリースされました。

無断公開事件

アルバム発売前に楽曲が無断公開されるという事件が発生。著作権侵害として書類送検される事態となりました。

『UROBOROS』は、DIR EN GREY|DIR_EN_GREYの音楽性を新たな段階へと押し上げた、重要な作品と言えるでしょう。

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