DUNAMIS15

『DUNAMIS15』：繰り返す時間の中で紡がれる、若者たちの運命

『DUNAMIS15』（デュナミス フィフティーン）は、5pb.が2011年9月15日にPlayStation 3とXbox 360向けに発売したアドベンチャーゲームです。その後、2012年7月26日にはPlayStation Portable版もリリースされました。本作は、関涼子氏の同人誌『デュナミスの羊』を原作とし、ループする時間の中で、若者たちの成長と葛藤を描いた物語が特徴です。

世界観とストーリー

舞台は、「核箒星（ニュークメテオ）」と呼ばれる核戦争によって人口が激減した未来の日本です。政府は洋上に学園島「デュナミス・ベース」を建設し、そこで選抜された子供たちを育成していました。しかし、生徒たちは自分がクローンであり、遺伝子保存のための研究対象であることを知りません。

一見平和な学園生活は、不審者侵入や生徒たちの原因不明の昏倒といった事件によって暗雲が立ち込めます。そして、最終的には生徒たちが狂気に染まり、悲惨な結末を迎えるのです。しかし、その度に時間が巻き戻り、同じループが繰り返されます。

物語は全5章構成で、各章は異なる生徒の視点から描かれます。一見同じように見える出来事ですが、実はそれぞれ異なるループの物語です。序盤は小さな違いしかありませんが、後半では生徒たちがループに気づき、自らの運命に立ち向かう展開へと発展していきます。

ゲームシステム

ゲームシステムはほぼ一本道で、選択肢による分岐は限定的です。しかし、誤った選択はゲームオーバーにつながる可能性があります。プレイヤーは、繰り返すループの中で、少しずつ明らかになる真実を解き明かし、生徒たちの未来へと導いていくことになります。

主要キャラクター

物語を彩る個性豊かなキャラクターたちは、それぞれ複雑な背景と葛藤を抱えています。

高槻 東吾（たかつき とうご）：本作の主人公。大柄で屈強な体格を持つものの、当初は将来に希望を持てない無気力な青年でした。ループを繰り返す中で、人間的に大きく成長し、仲間と共に事件の真相に迫っていきます。
倭 一花（やまと いちか）：学園の委員長を務める優等生。完璧主義者で、傲慢で自己中心的な一面も持ち合わせています。ループを通じて、心の成長を遂げていきます。
後藤 眞波（ごとう まなみ）：明るく元気なムードメーカー。過去の記憶を持つ謎めいた存在で、ループの鍵を握っています。
陸 七生（おか ななお）：プレイボーイで知的な青年。冷めた目で周囲を観察し、自身の弱さと葛藤を抱えています。
* 世津 茅早（せつ ちはや）：日本から来た留学生。小柄で無口な少女ですが、強い意志と知性を持っています。

他にも、個性的なサブキャラクターたちが物語を盛り上げます。学園の保健医である宮藤、フォルムの研究員である妹尾、そして謎の男「No.15」など、それぞれの思惑や葛藤が複雑に絡み合います。

その他の要素

本作には、デュナミス・ベース、セレス学園、フォルム、セルといった独自の用語が登場します。これらは、物語の世界観を深く理解するために重要な要素となっています。また、ゲームの主題歌はKOKOMI、今井麻美、田村直美など、実力派アーティストが担当しています。

PSP版追加シナリオ

PSP版には、本編以前の物語を描いた『夜降ちの軌跡-Before one-』と、本編後の物語を描いた『夜明けの地図-After all-』という2つの追加シナリオが収録されています。これらを通して、より深く『DUNAMIS15』の世界観を味わうことができるでしょう。

まとめ

『DUNAMIS15』は、ループものという斬新な設定と、個性豊かなキャラクター、そして衝撃的な展開が魅力のアドベンチャーゲームです。繰り返される時間の中で、若者たちが成長し、運命に立ち向かう姿は、プレイヤーの心に深く刻まれることでしょう。 旧KID作品との関連性や"SDR project"ブランドについても、制作スタッフの繋がりという背景があり、単なる繋がり以上の深い意味は持ち合わせていません。

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