「Dance With You」は、日本のロックバンド、
TUBEが
1987年8月26日にCBS・ソニーからリリースした、通算6枚目にあたる
シングル楽曲です。
本作は、その発表当時から様々な点で注目を集めました。まず、この
シングルのミュージックビデオおよびジャケット写真の撮影が、
シンガポールの歴史あるラッフルズ・ホテルで実施されたことが挙げられます。異国情緒あふれる舞台は、楽曲の世界観を視覚的に豊かに表現しました。
楽曲の作曲は、後にアーティストとしても活動する栗林誠一郎氏が担当しました。栗林氏は、この
シングルがリリースされた年の暮れに発表された、
TUBEのメンバーも参加するプロジェクト「
渚のオールスターズ」のアルバム『NAGISA NO CASSETTE VOL.1』において、「Dance With You」をセルフカバーしています。このセルフカバーバージョンで、栗林氏はボーカリストとして自身の歌声を初めて披露しました。
また、カップリング曲である「Stay Forever」も特筆すべき点があります。この楽曲は、当初EP
レコード盤とカセットテープ版のみに収録されていました。そして、「Dance With You」と同様に、『NAGISA NO CASSETTE VOL.1』では、
TUBEのメンバーによる演奏のもと、栗林誠一郎氏がボーカルを務める形でセルフカバーされました。
TUBEオリジナルの「Stay Forever」バージョンは、
レコードおよびカセットテープが廃盤となった後、長らくCD媒体で聴くことができない状態が続いていましたが、2025年4月19日より、主要な
音楽配信サイトでのダウンロードおよびサブスクリプション配信が開始され、再び多くのリスナーがアクセスできるようになりました。
メディア展開においても多様性が見られます。EP
シングル(規格品番:07SH1967)やカセットテープ(規格品番:10KH2280)での発売に加え、
1987年12月2日には映像と音声を収録できる
CDビデオ(CDV、規格品番:24VH-2005)という当時の先進的なメディアでもリリースされました。さらに、
1989年3月21日には
8センチCDシングル(規格品番:10EH3238)として再発売され、この
8センチCD版は、ヒット曲「SUMMER DREAM」と並んで両A面
シングルとして扱われました。
「Dance With You」は、
TUBEの代表曲の一つとして認知されており、数多くのアルバムに収録されています。主な収録アルバムとしては、『Twilight Swim』、『My Favorite Songs』、『
TUBEst』、『
青春歌年鑑'87 BEST 30』、『Best of
TUBEst 〜All Time Best〜』、『All Singles TUBest -Blue-』などが挙げられ、これらの作品を通じて、時代を超えてファンに親しまれています。
楽曲制作には、
TUBEのメンバーに加え、外部のミュージシャンも参加しています。キーボードに
小野塚晃氏(DIMENSION)、コーラスに作曲者である栗林誠一郎氏、アコースティックギターに
吉川忠英氏がクレジットされています。これらの熟練したミュージシャンたちが、楽曲の完成度を高めるのに貢献しました。
このように、「Dance With You」は、楽曲自体の魅力に加え、撮影地の話題性、作曲者のセルフカバー、カップリング曲の再評価、そして多様なメディアでの展開など、様々な側面から語られることの多い、
TUBEのキャリアにおいて重要な位置を占める
シングルと言えるでしょう。