CDビデオ

CDビデオの概要

CDビデオ（CD Video, CDV, CD+V, CD-V）は、1987年に発表された光ディスク規格で、コンパクトディスクとレーザーディスクの技術を組み合わせたものです。この規格はRed Bookに属し、主にアナログビデオ規格としての特性を持ちます。

特徴

CDビデオは、一般的なCDと同じ直径12cmの形状をしており、その表面は特有の金色の光沢があります。このディスクは、中央に穴が開いているため、オーディオCDや他のCDとは一目で区別できます。CDビデオの内側部分には、オーディオパートと呼ばれるデジタル音声情報が最大20分間収録可能です。また、外側部分にはアナログ映像情報が最大5分収録されており、音声と映像を同時に楽しむことができる点が特徴です。

プレイヤー

CDビデオの再生に対応した最初の製品は、1987年にパイオニアが発売したレーザーディスクプレーヤー、Pioneer CLD-1010でした。このプレーヤーによって、CDビデオの技術が初めて家庭で体験できるようになりました。また、規格上では、デジタル音声を収録したレーザーディスクにCD同様のTOC（テーブル・オブ・コンテンツ）が併録されたものもCDビデオの一種として認められています。さらに、松下電器産業（現 パナソニック）は、CDビデオを再生できるプレーヤーを提供し、レーザーディスクに対抗する製品を市場に投入していました。

派生規格

1990年9月には、CDビデオのオーディオ部分を独立させた「CDシングル」と、ビデオ部分を独立させた「ビデオシングルディスク（VSD）」が規格化されました。しかし、CDビデオ自体はすでに忘れられた技術となっており、1993年に登場したビデオCDとの類似性から生じた混乱も大きなものではありませんでした。

名称の背景

CDビデオという名称とそのロゴマークについては、オランダのフィリップス社が強制力を持っていたという話があります。この背景により、規格の普及とともにCDビデオの存在が一層浸透していきました。

結論

CDビデオは、音声と映像の両方を一つのディスクに収録できる革新的な技術でしたが、次第に技術の進化と市況の変化により忘れ去られていきました。しかし、その独自の特性から、音楽や映像を両立させる媒体として、一時代を築いたことは間違いありません。

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