Dear Friend (中森明菜の曲)

中森明菜の「Dear Friend」

「Dear Friend」は、日本の歌手中森明菜による楽曲で、彼女の24枚目のシングルとして1990年7月17日にリリースされました。このシングルはワーナー・パイオニアのリプリーズ・レコードレーベルから発表され、CDとカセットの2形態で同時に発売されました。

この楽曲は、前のシングル「LIAR」から約1年3ヶ月ぶりのリリースで、中森にとって新たな挑戦が詰まった一曲でした。作詞は伊東真由美が担当し、彼女にとって初めての作品となります。作曲と編曲は和泉一弥が手掛け、ストリングスアレンジを若草恵が行いました。「Dear Friend」は明るいメロディーが特徴の長調の楽曲で、聴く人に勇気や元気を与えることを意図しています。

楽曲制作は通常のプロセスに従い、中森を交えた数曲の候補から「Dear Friend」が選ばれたのは1990年4月のことでした。最終的な歌詞の修正を経て、楽曲は同年5月中旬に完成しました。この楽曲が選ばれた背景には、「聴いた人が明るくなるコンセプト」があったと、ワーナー・パイオニアのプロデューサー藤倉克己は語っています。作詞者の伊東は、当初は中森を意識した歌詞を書いていましたが、最終的には彼女のこれまでの楽曲イメージから離れた内容となりました。

中森は1990年5月から6月にかけて、写真集『MY LIFE 1990 A・K・I・N・A NAKAMORI』の撮影を行いながら、同時に「Dear Friend」のレコーディングも進めました。撮影はハワイやニューヨーク、バハマなどで行われ、ザ・ヒット・ファクトリーにて5月の最後の週にレコーディングが行われました。スタジオアルバム『CRUISE』の制作時にも快調に歌えたことから、再びこのスタジオが選ばれたのです。

このシングルには、2曲目として「CARIBBEAN」という楽曲が収録されており、大西美帆が作詞を、和泉一弥が作曲とアレンジを担当しました。「CARIBBEAN」は、リゾート地での男女の情景を描いた楽曲です。

「Dear Friend」は、オリコン週間シングルチャートで1990年7月30日に初登場し、最高順位1位を記録しました。その後も2週連続で1位を維持し、合計17週間にわたり100位以内にランクインしました。年間シングルチャートでは6位を獲得し、約55万枚の売上を記録。オリコンは、その売上について高く評価しています。

シングルリリースの後、1990年8月1日に、約1年ぶりにテレビ出演を果たしました。フジテレビ系音楽番組『夜のヒットスタジオ SUPER』に生出演し、ニースからの衛星中継で「Dear Friend」と「CARIBBEAN」の2曲をパフォーマンスしました。そのほかにも、8月10日には『ミュージックステーション』に出演し、同様の曲を披露しました。

その後、この楽曲は1998年や2008年にも再リリースされ、2014年にはシングルボックスに収録されました。作詞した伊東真由美は、1992年に自身のアルバム『美人声』で本曲のセルフカバーを発表しています。

「Dear Friend」は、中森明菜の音楽活動において重要な作品の一つであり、彼女の魅力と新しい側面を引き出しています。この楽曲は今なお多くのファンに支持され続けています。

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