Digital Linear Tape

DLT（Digital Linear Tape）とは

DLT（Digital Linear Tape）は、磁気テープを用いた大容量データストレージの規格です。1984年にDEC社（Digital Equipment Corporation）が同社のMicro VAX IIワークステーション向けに開発し、かつてはデータバックアップなどの用途で広く利用されていました。初期の型名はTK50として知られています。

DLTの歴史

1994年、クァンタム社がDEC社からDLTの権利を買い取り、その後の開発と販売を引き継ぎました。クァンタム社は、DLTの記憶容量を向上させるなど、様々な改良を加えました。2001年にはSuper DLT（SDLT）規格を、2006年にはDLT-S4をリリースし、DLTtape S4メディアで最大800GBのデータを60MB/秒の速度で記録できるようになりました。しかし、DLT-S4を最後に新規製品は発表されておらず、クァンタム社の磁気テープ製品は、現在ではLinear Tape-Open（LTO）規格に移行しています。

DLTの技術

DLTは、カートリッジ内に一つのリールを持ち、ドライブ側からテープを引き出してドライブ側のリールに巻き取りながらデータの読み書きを行います。記録ヘッドは上下に移動しながら、複数のトラックにデータを記録する仕組みです。

DLTの主な特徴

大容量: 当時としては大容量のデータストレージが可能でした。
信頼性: 磁気テープメディアの高い信頼性により、データの長期保存に適していました。
バックアップ用途: 主にサーバーやワークステーションのデータバックアップに用いられました。

DLTからLTOへの移行

DLTは、その登場から長らくデータストレージのデファクトスタンダードの一つでしたが、より高性能で柔軟性の高いLTO規格が登場したことにより、その役割を終えました。現在では、多くの企業や組織がLTO規格のテープドライブとメディアを利用しています。

関連規格

Linear Tape-Open (LTO): 現在主流の磁気テープ規格で、DLTの後継規格として位置付けられます。LTOは、より高速なデータ転送と大容量ストレージを提供します。

外部リンク

History of DLTtape Technology at the Wayback Machine (archived 2008-03-15) - Quantum社によるDLT技術の歴史（英語）
Quantum Corp. DLT drive page

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