Linear Tape-Open

リニア テープ オープン（LTO）について

リニア テープ オープン（LTO）とは、コンピュータ用の磁気テープ技術であり、データのバックアップやアーカイブに効果的に使用されています。この技術は、IBM、ヒューレット・パッカード（HP）、シーゲイトの3社によって1990年代末に開発され、従来の独占的な技術であったDLTやAITに代わるオープンな規格として位置づけられています。LTOの主なフォームファクターはUltriumと呼ばれ、これによりより広範な互換性や利用が可能になっています。

起源と発展

LTOの開発は、特に1990年代後期に、クアンタムのDLTやソニーのAITが主流の大容量テープ記憶装置として存在していた時期に始まりました。これらの技術には厳しい権利関係があり、さまざまなベンダーによる商品化が難しいものでした。この課題に対抗するため、IBMとHP、シーゲイトはよりオープンな仕様を模索し、最終的にLTOを規格化することに成功しました。

LTO技術の進展は早く、2000年に発表された第1世代のLTO-1は100GBのデータ容量を持っていましたが、2021年にはLTO-9が18TBにまで向上し、容量の進化が感じられます。ただし、高度な技術ゆえに、LTOドライブやテープは高価であり、特定用途向けに限られた供給になっています。

フォームファクタ

LTOには主に二つのフォームファクタ、UltriumとAccelisがあります。UltriumはLTOの主流であり、1/2インチ幅のテープを使用しています。一方、Accelisは高速アクセスを重視した8mm幅のテープですが、実際にはUltriumのみが市販され、Accelisの需要は限られていました。

カートリッジと機械装置

LTOカートリッジは、EMTECや富士フイルム、ソニーなどから認証された企業が製造しており、最新のLTO-9に対応したものも提供されています。また、LTOにはクリーニングカートリッジも存在し、ドライブ内部のヘッドのメンテナンスが行えます。

テープドライブは、データの記録再生を行う機械装置であり、テープライブラリと連携して効率的なデータ管理を実施します。テープドライブのフォームファクターにはFull-HeightとHalf-Heightの2種類があり、データの記録はファイバーチャネルやSASを通じて行われます。

世代と技術的な特徴

LTOは、世代を重ねるごとに容量や転送速度を向上させてきました。LTO-1から始まり、LTO-9に至るまで、各世代はデータ容量や転送能力の倍増を目指して技術革新が続けられています。

例えば、LTO-5では1.5TBのデータが保存でき、LTO-9では18TBにまで達しました。さらに、LTOはエラー訂正技術や読み書きのリアルタイム検証など、高い信頼性を持つデータ管理機能を実装しています。

まとめ

リニア テープ オープン（LTO）は、高度なデータ管理機能を持つ磁気テープ技術として、バックアップやアーカイブにおいて欠かせない存在となっています。その進化と共に、今後も多様なデータ規模や環境に対応した効率的なストレージソリューションとして利用されることでしょう。

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