Direct Media Interface

Direct Media Interface（DMI）は、インテルのマザーボード上でCPUとPlatform Controller Hub（PCH）を接続する、ポイントツーポイントのハードウェアインターフェースです。かつてはノースブリッジとサウスブリッジ間の接続に用いられていました。

DMIは、従来のハブインターフェースの後継として登場しました。DMI 1.0は、2004年にリリースされたICH6チップセットで初めて採用され、10Gb/sの双方向データレートを実現しました。これは、PCI Express v1.1 x4インターフェースをベースに改良されたものと考えられています。ただし、一部のモバイル向けノースブリッジ（915GMS、945GMS/GSE/GU）やモバイルプロセッサ（Atom N450）では、PCI-E x2を使用し、半分のデータレート（5Gb/s）となっています。また、サーバーチップセットでは、Enterprise Southbridge Interface（ESI）と呼ばれるPCIe x4ベースの類似インターフェースが用いられています。2004年以降の全てのインテル製チップセットは、DMIのいずれかのバージョンを採用しています。

DMIは、ノースブリッジとサウスブリッジ（存在する場合）間の接続に使われていますが、インテルはDMI対応を謳うデバイス間での相互接続性を保証しているわけではありません。したがって、DMIインターフェースが存在しても、特定のノースブリッジとサウスブリッジが必ず接続できるとは限りません。

DMIは、I/Oバス上で回復不能なエラーが発生した場合、システムエラーメッセージ（SERR Message）を送信する役割も担っています。

DMIのバージョンと対応CPU/チップセット

インテルのNehalemアーキテクチャベースのCPUファミリでは、DMI 1.0が実装されていました。Sandy BridgeマイクロアーキテクチャではDMI 2.0、SkylakeマイクロアーキテクチャではDMI 3.0、Alder LakeマイクロプロセッサではDMI 4.0が採用されています。

以下に、DMI各バージョンに対応したチップセットファミリをまとめます。

DMI 1.0 対応チップセット

Intel 915 シリーズ
Intel 925 シリーズ
Intel 945 シリーズ
Intel 955 シリーズ
Intel 965 シリーズ
インテル 3 シリーズ チップセット
インテル 4 シリーズ チップセット
インテル 5 シリーズ チップセット

DMI 2.0 対応チップセット

インテル 6 シリーズ チップセット
インテル 7 シリーズ チップセット
インテル 8 シリーズ チップセット
インテル 9 シリーズ チップセット

DMI 3.0 対応チップセット

インテル 100 シリーズ チップセット
インテル 200 シリーズ チップセット
インテル 300 シリーズ チップセット
インテル 400 シリーズ チップセット
インテル 500 シリーズ チップセット

DMI 4.0 対応チップセット

インテル 600 シリーズ チップセット
インテル 700 シリーズ チップセット

DMI対応 サウスブリッジデバイス

ICH6
ICH7
ICH8
ICH9
ICH10
NM10


DMIは、インテル製CPUとチップセット間の高速データ転送を支える重要なインターフェースであり、その進化はシステムのパフォーマンス向上に大きく貢献しています。

関連項目

FSB
QPI
インテル チップセット
I/O コントローラー・ハブ
プラットフォーム・コントローラー・ハブ

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